マツダのディーゼルにみる日本の技術の向かう先
(4代目となる新型デミオの1.5Lディーゼル設定に喜ぶマツダファンだという読者の方からの、ディーゼルに本腰を入れるマツダの姿勢をどう思われますか? という質問に)
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私もデミオには期待しています。ディーゼルはこれからどんどん、小型で高効率になっていくと思います。デミオの車重がどのくらいかによりますが、スポーティな走りに期待できますね。
これから日本車の技術は、小型、コンパクト、軽量に向かうはずです。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも重くお金がかかりますが、小さいクルマの場合、ハイブリッドよりもコスト面でも有効でしょう。
私はマツダがディーゼルエンジンを推し進めることには大いに賛成です。一度広島のマツダ本社にそのあたりの取材に行きたいですね。
商用車がつまらない
(三菱のミニキャブがスズキのエブリイのバッジ違い、ミニキャブトラックがキャリイのバッジ違いになり、オリジナルのガソリン車の商用モデルを作っているのはスズキ、ダイハツ、ホンダの3社だけになってしまったと嘆く読者の方からの、各社オリジナルの商用軽自動車が名前だけ残して消えていくのは悲しい、という声に)
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スバル・サンバーは合理的な設計に基づくいいクルマでしたね。初期モデルは雨の日には電気がリークしたこともありましたが、実用的なクルマでした。
コマーシャルバンはスズキ、ダイハツ、ホンダと三菱のミニキャブ・ミーブだけですね。私は、スバル・サンバーが好きだったので一昨年にオリジナルモデルが生産中止になった時は残念に思いました。
この種のバンは合理的なスペースを作ってあとは、すべてオプションにすればいいと思うのですが、日本ではそうもいかないのでしょう。
軽自動車のバンをベースにキャンピングカーを作ってヒットしていますが、ああいった工夫がこれから軽自動車のバンに求められるかもしれません。
ユーザーはスペースを買って、あれこれ装備は特装してもらうという考え方です。アフターでそういったメーカーがたくさんあり、今後も増えていくと思います。
カーナビは付けない
(カーナビはつけない、ドライブに行く時は道を間違ったほうが面白いしそこに旅の醍醐味がある、という読者の方からの、徳大寺さんはドライブに出かける際にナビゲーションシステムを利用されるのですか? という質問に)
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カーナビはあったにこしたことはないと思います。時間が決まったドライブでは有効でしょう。カーナビと地図を両方持っているのがいいと思います。私は地図だけでもどこへでも出かけるタイプで、ドライブにはお気に入りのCDと地方のラジオ局を聞くのが楽しみです。そして名所巡りが好きです。
あまり有名でないところへ行ってうろうろするのが面白いのです。おいしいものも欠かせません。名古屋、大阪、中国、四国とくだって行くうちにいろいろな場所と味、そして人に会うのが楽しみです。だいたいの目星をつけ、近くなったらカーナビを使う、それが私のドライブの楽しみ方です。
コンテッサの想い出

(初めて自分の給料で買ったクルマが中古のコンテッサ900だったという、当時日野の大ファンだったという読者の方からの、当時を思い出すと胸が熱くなる、という声に)
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日野コンテッサですね。もともと日野は東京瓦斯電気工業が母体で大型車両生産を強化する国策によって九七式戦車などを作っていました。
コンテッサ900は私の印象では欧州的なクルマで華奢でエレガントなスタイリングとRRが特徴でした。多くがタクシーとして使われていたことも思い出します。あの華奢なクルマがタクシーとして酷使されていることがなんだか不釣り合いだったので記憶に残っているのでしょう。
ルノー4CVやその後継車であるドーフィンと近いメカニズムを持ったクルマでしたが、その後作られたクーペボディのスプリントや900の後継車にあたる1300はミケロッティの手によるものですね。ここからがらりと洗練度が増します。900スプリントは私も実物を見て欲しくなりましたよ。
コンテッサはモータースポーツにも登場し、ユニークなエンジニアリングをしていましたね。第1回日本グランプリにも出場しています。
今でこそ、コンテッサシリーズはマイノリティな存在になってしまいましたが、当時は魅力的なクルマだと思っていました。
おっしゃるとおり、テールへビィでオーバーステアが気になり、コントロールしにくいという欠点もありましたが、1300はなかなかシャープな走りを見せました。
日野のほかいすゞも英国の乗用車、ヒルマンミンクスをノックダウン生産していました。どちらも乗用車から撤退してしまいましたが、国産メーカーが自分たちの手でクルマを作ろうとしていた鼓動が感じられるクルマだと思います。ぜひ記憶にとどめておきたいクルマです。
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