クロストレックPHVはトヨタの「THS-II」がベース
もちろん、現実問題としてスバルくらいの生産規模(2019年実績で104万台)では独自の電動化戦略を打ち立てるのは困難で、どうしてもトヨタとの協調戦略で行かざるを得ないという事情はわかる。
実際、スバル初のプラグインハイブリッド車となったクロストレックPHVは、トヨタのハイブリッドシステム(THS-II)を縦置き水平対向用にアレンジしたものだし、今後台数を増やしてゆくというストロングハイブリッドは、それをベースに搭載する電池容量を減らしたもの。
初のピュアEVとなるCセグSUVも、トヨタ、マツダ、デンソーなどが参画する「EV C.A. Spirit」の要素技術を活用して開発されている。
開発からしてスバル独自で動ける余地はほとんどないだろうし、トヨタ抜きにはサプライヤーとの関係もままならない。
また、どれだけ作る/売るかによって採算性も大きく変わってくる。電動化前倒しをしたくても、ままならない事情が多々あるのかもしれない。
しかし、スバルというブランドの価値を高めるためには、いまは歯を食いしばってでも環境車種を増やすべきタイミングではなかろうか。
XVのPHVをなぜ日本で売らないのか
現在アメリカだけで売っているクロストレックPHV(編注:価格=日本円換算で約370万円)は、カリフォルニアのZEV規制適合のため投入された赤字プロジェクトで、それゆえ他の市場には出さないという事情が透けて見える。
また、そのハイブリッドバージョンも、発売のタイミングが遅すぎる。
内燃機関の改良に賭けるマツダは、苦しい台所事情にもかかわらずSKYACTIV-Xをフラッグシップとして投入し、マツダファンのみならず専門家筋をうならせている。
技術志向のスバルならば、クロストレックPHVの即時国内投入、そしてストロングハイブリッドの発売前倒しくらいやらないとダメ。販売好調の北米で稼いだ資金は、こういう時こそ思い切って使うべきじゃないかな?
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