なぜスバルはクロストレックPHVを日本発売しないのか

クロストレックPHVはトヨタの「THS-II」がベース

クロストレックハイブリッド/パワーユニット:1995cc水平対向4気筒+モーター(PHV)、システム出力:148HP=約150ps

 もちろん、現実問題としてスバルくらいの生産規模(2019年実績で104万台)では独自の電動化戦略を打ち立てるのは困難で、どうしてもトヨタとの協調戦略で行かざるを得ないという事情はわかる。

 実際、スバル初のプラグインハイブリッド車となったクロストレックPHVは、トヨタのハイブリッドシステム(THS-II)を縦置き水平対向用にアレンジしたものだし、今後台数を増やしてゆくというストロングハイブリッドは、それをベースに搭載する電池容量を減らしたもの。

 初のピュアEVとなるCセグSUVも、トヨタ、マツダ、デンソーなどが参画する「EV C.A. Spirit」の要素技術を活用して開発されている。

すでにマイルドHVとしては「e-BOXER」を国内導入済みだが、資料のとおり今後投入が見込まれるストロングHVはトヨタのTHS-IIをベースに開発 『スバル 技術ミーティング資料』より

 開発からしてスバル独自で動ける余地はほとんどないだろうし、トヨタ抜きにはサプライヤーとの関係もままならない。

 また、どれだけ作る/売るかによって採算性も大きく変わってくる。電動化前倒しをしたくても、ままならない事情が多々あるのかもしれない。

 しかし、スバルというブランドの価値を高めるためには、いまは歯を食いしばってでも環境車種を増やすべきタイミングではなかろうか。

XVのPHVをなぜ日本で売らないのか

THSと水平対向エンジンを組み合わせたクロストレックのPHVシステム。すでに米国で販売されているだけに、技術的には日本で販売できない理由はないように見えるが…

 現在アメリカだけで売っているクロストレックPHV(編注:価格=日本円換算で約370万円)は、カリフォルニアのZEV規制適合のため投入された赤字プロジェクトで、それゆえ他の市場には出さないという事情が透けて見える。

 また、そのハイブリッドバージョンも、発売のタイミングが遅すぎる。

 内燃機関の改良に賭けるマツダは、苦しい台所事情にもかかわらずSKYACTIV-Xをフラッグシップとして投入し、マツダファンのみならず専門家筋をうならせている。

 技術志向のスバルならば、クロストレックPHVの即時国内投入、そしてストロングハイブリッドの発売前倒しくらいやらないとダメ。販売好調の北米で稼いだ資金は、こういう時こそ思い切って使うべきじゃないかな?

【画像ギャラリー】日本仕様XVとどう違う!? 北米専売「クロストレックPHV」を徹底解剖!!

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