ボディサイズは現行型とほぼ同サイズ
ボディサイズは全長4600×全幅1855×全高1680mm(PHEVは1685mm)、ホイールベース2690mm(コアHEV)。全高が5mm低くなっている以外、すべて現行型とほぼ同サイズで、また、前後オーバーハング、前後着座位置距離も同じ。
それでいてラゲッジ容量は733Lから749Lに拡大しているほか(ゴルフバッグは7個積める)、後席を折り畳んだ時の床面を、よりフラットにしている。
プラットフォームは現行型GA-Kの改良型で、ボディ剛性を10%向上。また、ボディへの接着剤量を増やすとともに、微小振動を除去する高減衰接着剤を新たに使用して、操安性を向上させている。ショックアブソーバーはレクサスで採用されているアイテムを新規採用している。
パワートレーンはハイブリッドとPHEV
パワーユニットは直4、2.5LのHEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)で、現行型にはラインナップしている純ガソリン車は設定なし(海外の一部地域では2Lガソリンあり)。グレードとパワートレーンの組み合わせは以下の通り。
・コアHEV(E-four)
・コアPHEV(E-four)
・アドベンチャーHEV(E-four)
・GR SPORT PHEV(E-four)
このPHEVは新型RAV4から始まる第6世代のパラレルHEVシステムを新採用している。フロントアクスルへのシリコンカーバイド半導体の採用やフリクション低減などにより、パワーユニットの小型&効率化を実現。
高さを15%、重さを18%減らしながら出力を12%アップさせ、また、電池の大容量化によりBEV走行距離を現行型の95kmから約1.5倍の150km(開発目標値)まで向上させている。
電池は容量を30%増やすことで重量も増えているが、パワーユニットの軽量化により、トータルでは減量しているというから凄い。フル充電、ガソリン満タンでの航続距離は実に1350km。ちなみにHEVは従来型の第5世代ユニットの改良型を採用している。
新型RAV4から始まるアリーンとは?
新型RAV4のトピックスの1つは、トヨタブランド初のSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル=ソフトウェア定義車)として登場することだ。
トヨタが2018年から開発を進めてきたソフトウェア作りプラットフォーム、Arene(アリーン)が初めて導入されるのだ。これは車載OSにとどまらず、AI、ADAS(先進運転支援システム)、マルチメディア、車両制御を繋ぐ中枢神経系といえる存在になる。
これまでRAV4は世界180カ国で1500万台を販売し、総走行距離は地球6000周分に及ぶという。これこそRAV4が初めてのSDVに選ばれた理由なのである。
OTA(オーバー・ジ・エア)による機能の追加や更新、クルマのパーソナル化など、SDVでできることは多岐にわたるが、トヨタが最も重視しているのは交通事故ゼロに向けた安全性能の向上。
世界各地のリアルな走行データを集めて学習することができ、ADASの進化を加速させられるというのはRAV4ならではのメリットなのだ。機能はまだ限定されているが、トヨタのSDVは新型RAV4で第一歩を踏み出したことになる。
Arene(アリーン)とは、ソフトウェア作りのプラットフォーム。アリーンSDK(開発の土台となるキットで、複数車両の展開が可能になる)、アリーンTools(ソフトウェアを検証するツールで、実車の検証を減らして開発スピードを向上させられる)、アリーンData(データを収集する基盤で、自動運転やADASの機能向上に活用できる)で構成されている。
アリーンの活用により、新型RAV4では音声認識の応答速度が従来の3.6秒から1.0秒に短縮され、その理解度も向上。またドライバー異常時対応システム、急加速抑制、ACC、自動駐車システムなどが進化したほか、限りなく死角ゼロに近づくPVM(パノラミックビューモニター)も新採用している。





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