今じゃありえない! 昭和の“ゆるゆる”交通ルール5選

今じゃありえない! 昭和の“ゆるゆる”交通ルール5選

 クルマに関するルールのなかには、昔と今では大きく変わってしまったものがいくつかある。知らないままだと違反になるかもしれない、おおらかな時代だからこそ許されていた、今では絶対NGなルールとは?

文:井澤利昭/写真:写真AC

【画像ギャラリー】昭和のクルマ社会はユルすぎた!?(9枚)画像ギャラリー

シートにヘッドレストがついていなくても大丈夫だった

昭和のクルマ社会はユルすぎた!? 今じゃ考えられない昔の合法だったルール5選
ヘッドレストは、その名称から頭を休めるための快適装備と勘違いされることが多いが、本来は「restraint(拘束する)」という意味合いを持つ安全装備で、その装着が義務づけられている

 現代のクルマにはさまざまな安全装備が備わっているが、案外知られていないのが、シートに取り付けられているヘッドレストもそのひとつであること。追突などの交通事故の際、クルマに乗っている人の頭を受け止め、むち打ちなどのダメージから首を守るのがその役目だ。

 地味ではあるが重要な装備であるクルマのヘッドレストの装着が義務づけられたのは、今から約半世紀と少し前の1969年。

 当時は運転席のみがその対象で、助手席や後部座席に関しては義務化されていなかったため、「昔乗っていたクルマには付いていなかったなぁ」と記憶している人もいるのではないだろうか。

 ちなみに助手席側のヘッドレストが義務化されたのは、それから40年以上が経過した2012年のこと。

 もちろん現在販売されているクルマには、運転席、助手席側ともにヘッドレストが標準で取り付けられているわけだが、邪魔だからとこれを取り外してしまうと、保安基準に不適合として違法となり車検にも通らなくなってしまう。

 なお、ヘッドレストが義務化される1969年より前に製造されたクルマであれば検査の対象外となるため、安全性はともかく車検では問題ない。

 いっぽう、後部座席に関しては現在もヘッドレスト装着の義務はなく、ルール上はヘッドレストがなくても車検落ちする心配はない。

 とはいえ万一の事故のことを考えればヘッドレストがあったほうが安全であることは間違いない。後部座席に乗る人のことを思うのであれば、取り外すことは避けたい。

ヘッドライトは白、ウインカーはオレンジ以外でもOKだった

昭和のクルマ社会はユルすぎた!? 今じゃ考えられない昔の合法だったルール5選
現在は「白」のみと定められているヘッドライトの色だが、保安基準が改訂された2005年12月31日以前に初年度登録された車両であれば「淡黄色」=イエローバルブの装着も許されている

 夜のドライブには欠かすことのできない、ヘッドライトやテールランプなどのクルマの灯火類。現在、街中を走るクルマを見渡せば、そのほぼすべてがヘッドライトは白、テールライトは赤に統一されている。

 これは道路運送車両の保安基準によって灯火類の色が定められているためだが、昭和の時代からさまざまなクルマを見てきたという人であれば、かつてのクルマのなかには、黄色いヘッドライトを装着したモデルがあったことを覚えているはずだ。

 雨や雪といった悪天候時に見やすいという実用面での利点や一部輸入車などを連想させるオシャレ感が人気だったイエローバルブを装着した黄色いヘッドライトだが、現行モデルでは残念ながら見ることができない。

 これは、灯火類に関するルールが、現在と昔ではほんの少し違っていたため。

 2005年までは「白色または淡黄色」とされていたヘッドライトの色に関する規定が、2006年1月1日からは「白色」のみとされたことで、それ以降に初年度登録されたクルマに関しては、ヘッドライトを黄色にすることが許されなくなってしまった。

 なお、フロント側を照らすライトの色に関して決まりがあるのはヘッドライトに限った話なので、フォグランプなどの補助灯であれば、イエローバルブの使用はOK。

 また、法律が改訂される前の2005年12月31日以前に生産されたクルマであれば、現在も黄色いヘッドライトを取り付けることは現在も許されている。

 つまり、時おり街中で見かける黄色いヘッドライトの旧車に関しては問題ないというわけだ。

 ちなみにウインカーの色と保安基準で決められているが、こちらの歴史はかなり古く、1973年から橙(オレンジ)色のみと定められている。

 こうした灯火類の色が適合しないクルマを運転し、違反車両として取り締まりの対象となった場合は、整備不良として違反点数1点、反則金7000円が科されることになるので気をつけたい。

次ページは : 酒気帯び運転の基準が緩かった

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

GRスターレットは次期型ヤリス!? 2025年に出たクルマをALL CHECK!『ベストカー1.10号発売!』

GRスターレットは次期型ヤリス!? 2025年に出たクルマをALL CHECK!『ベストカー1.10号発売!』

 12月に入り、いよいよ今年もラストスパート。2025年は新型車ラッシュに加え、JMS2025をはじ…