【何がいいの? 悪影響は?】クルマのホイールを換えるとどうなる? 利点と短所

純正ホイールは安価で当然

大抵の場合、廉価グレードにスチールホイール+ホイールキャップが装着される。写真は新型フィットの15インチスチールホイール+ホイールキャップ。奥に丸い穴の開いたスチールホイールが少し見えているのがわかるだろうか
大抵の場合、廉価グレードにスチールホイール+ホイールキャップが装着される。写真は新型フィットの15インチスチールホイール+ホイールキャップ。奥に丸い穴の開いたスチールホイールが少し見えているのがわかるだろうか

 純正ホイールについては、自動車メーカーはほぼタイヤ込みの価格しか明らかにしていないが、新車から外されて販売されている中古品などの価格から、ある程度までは類推できるので、参考値として捉えていただきたい。

 スチールホイール(1本)の純正品については、15インチは5000円から1万円ほど、18インチのアルミホイールでは1万~2万円程度のようだ(純正タイヤ価格は約2000~5000円を想定)。

 一方で、アフターマーケット品のアルミホイールに関しては、15インチは3万~4万円、18インチは4万~6万円と、価格はまったく異なる。

 この差はどのようにして生まれるのかといえば、答えは至ってシンプル、販売される「数」の問題だ。

 たとえば、2020年2月の販売台数はアクアが8433台、クラウンが2281台だったが、その数だけ純正装着ホイールが「売れている」ことになるから、大量生産による量産効果が得られるのでコストを充分に抑えられる。

 このように、生産規模がまったく異なることから生じる価格差は、純正品とアフターマーケット品を直接比較できるようなものではない。

 先のようにコストや価格は自動車メーカーにとって機密事項になっているので、あくまで想像の域を出ない。

 対して、ホイールメーカーが独自に手がけるアフターマーケット品は、製品ごとに限られた生産数の中で利益を生み出すべく、商品性などを細かく検討したうえでマーケットに受け入れられるような価格を設定しなければならない。

 結果として自動車メーカーの純正品に比べれば、“強い個性”を打ち出すための手間をかける度合いが増すため、販売価格が高くなることは否めないだろう。

軽量化で期待できるメリット

あらゆる部位において軽量化が図られているGT-R NISMO 2020年モデル
あらゆる部位において軽量化が図られているGT-R NISMO 2020年モデル
GT-R NISMO専用のRAYS製20インチ鍛造アルミホイールは、合計で100g軽量化しながら剛性を高めた新たな9スポークデザインを採用。リムにはダイヤモンドカットが施され、白と赤のNISMOロゴも配されている
GT-R NISMO専用のRAYS製20インチ鍛造アルミホイールは、合計で100g軽量化しながら剛性を高めた新たな9スポークデザインを採用。リムにはダイヤモンドカットが施され、白と赤のNISMOロゴも配されている

 それでは、タイヤとの組み合わせで性能が変わることを念頭に置いた上で、ホイールの軽量化のメリットとデメリットについて考えてみよう。

 クルマの足元を支えるホイールとタイヤについてよく耳にする話として、「バネ下1kgの軽量化はバネ上(ボディなど)10kgの軽量化に相当する」という文言がある。

 これはモータースポーツの経験則から生まれたようで、おそらく「ホイール1本×1kg」の変化と類推して「4本総計4kgのバネ下質量の軽減」が「10kgの軽量化」に当たると解釈したほうがよいと思われるが、むろん「バネ下質量軽減」は軽んじてはならないテーマだ。

 では、より軽いアルミホイールを装着すると、具体的に車両の挙動の何が変わるのだろうか。

 日常的にクルマを走らせるうえで、一番わかりやすい効果を期待したいのは燃費の向上だろう。

 軽量化による効果としては、転がりやすさ(転がり抵抗の少なさ)が向上するということであり、転がり抵抗の少ないタイヤを組み合わせれば燃費向上の効果は増すはずだ。

 走りについては、軽量化によってステアリング・レスポンスの向上を狙えると言われている。

 バネ下質量が軽くなるとスプリングなどのサスペンションの動きが少なくなることから、コーナリングや加減速でのボディ全体の荷重移動がスムーズになり、拳動変化が少ない安定した走行が可能ということになる。

 むろん、タイヤのグリップ性能に関わることだから、タイヤの選択にも気を遣う必要がある。

 加減速での慣性モーメントの抑制という面でも、回転部分の外周(タイヤと組み合わされるリム部)が軽く設計されているほど少ない力で回転・停止ができるのでブレーキ性能の向上が期待できる。

 ただし燃費に比べて、シャシー性能に関わるこれらの多くは微細な領域での挙動変化だから、スポーツ走行などを除いて誰もが感じ取れるような明らかな効果があるとは言いにくく、日常的な話として成立するかどうかは難しいところだ。

2020年夏に発売予定のマイナーチェンジ版シビックタイプR。サンライトイエローIIのリミテッドエディションは国内限定200台。1本あたり2.5kg軽量化されたBBS製アルミ鍛造20インチホイール+245/30ZR20タイヤを装着<br>
2020年夏に発売予定のマイナーチェンジ版シビックタイプR。サンライトイエローIIのリミテッドエディションは国内限定200台。1本あたり2.5kg軽量化されたBBS製アルミ鍛造20インチホイール+245/30ZR20タイヤを装着
リミテッドエディションにはミシュランパイロットスポーツカップ2、タイプRの標準車にはコンチネンタルスポーツコンタクト6を装着
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