ひとことでクルマのホイールといっても、スチール、アルミ合金、マグネシウム合金などの材質、製法についてもアルミホイールでは鍛造、鋳造などがあり、多種多様だ。
新車で買った際に装着されているホイールを交換した場合、どんなメリットがあるのだろうか?
また軽量ホイールを装着した場合の意外な問題点も含めて、モータージャーナリストの岩尾信哉氏が解説する。
文/岩尾信哉
写真/ベストカーWeb編集部 BBSジャパン ENKEI WEDS RAYS
【画像ギャラリー】社外製軽量アルミホイールを純正装着しているクルマ
軽さと強度の確保が大事
ホイールに使われる素材は、スチール(鋼材)、アルミニウム/マグネシウム合金などが一般的だ。
カーボン(CFRP:炭素繊維強化プラスチック)などもあるが、コスト面を含めて高級スポーツカーでの採用例は見られても、モータースポーツ用の競技車両での利用が中心といえる。
また、BBSでは世界で唯一、航空機用金属として知られる超超ジュラルミンを素材にした軽さと強度、高い耐久性とをバランスさせた超軽量5クロススポークをラインナップしている。
自動車用ホイール用の素材として重要となる強度と質量(軽さ)に関しては、質量のほうがわかりやすく、指標として比重が持ち出されることが多い。
1cc(1cm3)の水の重さと比較した物質の重量比(kg/cm3)」というのが比重の定義だが、具体的には鉄:7.87、アルミニウム:2.70、マグネシウム:1.74と、スチールに対して、アルミニウムが約1/3、マグネシウムが約1/5と圧倒的に軽いことがわかる。
鉄の耐久性に関わる強度は、アルミニウム/マグネシウム合金に比べて重さを抜きにして考えれば絶大で、加工性の高さなどスチール製ホイールのメリットは充分にある。
一方、重量と強さを合わせて考えるうえでの指標として「比強度」(引張強さ÷質量密度)があり、一般的なスチールに比べれば、アルミニウム合金やマグネシウム合金は約4~5倍になるとされ、CFRPについては約8倍と圧倒的な性能を誇る。
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