タイヤのグリップに関する常識と非常識
●太いタイヤは正義?
F1など、タイヤがむき出しになっているオープンホイールタイプのレースカーを見ると、公道用のクルマに比べてはるかに太いタイヤが装着されていることがわかる。
これはレース用エンジンのパワーを確実に路面に伝えるためと、そのパワーに負けないグリップ力を得るのが目的だ。
だったら公道用のクルマでも、できるだけ太いタイヤを装着したほうが路面をしっかりとらえて安全性も高まるのではないか?
こう考える人もいるかもしれないが、実はこれ、半分正解で半分は間違い。
タイヤが太くなればコーナリング中に遠心力に対抗する力が強くなって旋回スピードを速くすることができるが、細いタイヤに比べて接地圧が減少するため、ハンドルを切った際などの接地感は逆に少なくなってしまう。
常に限界スピードでコーナリングするわけでない公道車にとっては、高速旋回時のグリップ力より接地圧の高さのほうが重要になるケースも多い。
また、太いタイヤは雨天時に濡れた路面との接触面積が増え、細いタイヤよりも滑りやすくなることもある。
燃費性能においても路面との抵抗が少ない細いタイヤに分があるなど、太いタイヤは決して万能とはいえない。
●低めの空気圧でグリップアップ?
タイヤ内部には空気が入っていてその圧力で形状を保つと同時に、空気がショックを吸収する役割を果たす。
この空気圧には適正値があり、それはタイヤの種類や使用目的で変化する。
タイヤの空気圧を適正値よりも低めにすると、車重や走行中の荷重によるタイヤのたわみが大きくなって接地面積が増加する。
これによりグリップ力は向上し、乗り心地が良くなるケースもある。
とはいえ、変形の大きくなったタイヤでは偏摩耗が起きやすくなり、燃費が低下する恐れもある。
だからといって、燃費を向上させるために空気圧を適正値より大幅に高くすることにもトレッド面中央部分の偏摩耗や乗り心地の悪化などの弊害がある。
タイヤへの空気補充は1カ月に1回くらいを目安に、圧力の自然低下分を考慮して指定値より10~20kPa程度高めにするのが基本だ。
【画像ギャラリー】タイヤ選びの真実 アップデートすべき旧常識(8枚)画像ギャラリータイヤを長く使うための常識
●タイヤのローテーションは必須?
一般的なクルマには4本のタイヤが装着されているが、走行中はもちろん、停車時にも4輪に同じ荷重が加わっているわけではない。
公道用車両のほとんどは車体前部に重いエンジンを積んでいて、この場合は後輪より前輪のほうが重量面での負担が大きくなる。
さらに前輪が駆動も担当するFFや4WDではその負担が増加する。
そうした理由により、前後左右のタイヤそれぞれで摩耗の進行スピードに差が出てしまう。
これを是正するために行うのがタイヤの入れ替え(ローテーション)だ。
FF車の場合は前輪を後輪に変更し、取り外した後輪は反対側の前輪(クルマを上から見た際に斜め前の前輪)にすれば、偏摩耗を抑制できる。
FRや4WD車では、後輪を前輪に変更して、前輪は反対側の後輪にするのが一般的。
ただし、前後でタイヤの大きさが違う場合や、タイヤの回転方向が決められている場合はこのかぎりではない。
タイヤは搭乗者の命を守る大切なパートであり、こまめに気を配ることによって安全性を高く保つことができる。
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