バランス取りが必要な理由
ところで、そもそもなんでバランスを取る必要があるのでしょうか。じつはタイヤもホイールも完全な真円ではないからです。タイヤの側面に赤い点と黄色い点が打ってあるのをご存知でしょうか。
赤い点は「ユニフォーミティマーク」と呼ばれ、タイヤの外径が一番大きいところになります。新車装着時は、ホイールの白や青の点(最も外径の小さいところに打たれる)に合わせて組まれているのが一般的です。
また黄色い点は「軽点」と呼ばれタイヤの中で最も軽いところになります。新しいタイヤ交換をした時、あるいはタイヤを組みなおした時は軽点をバルブに合わせて組み込みます。軽点に関しては、メーカーによってはあえてマークしていないところもあります。
タイヤは製造工程を見るとわかるのですが、案外手作業が多く残されており、完全自動化には程遠い状況です。例えばトレッドゴムは、帯の状態で押し出されてきて、これを手作業でトレッドに巻きつけます。
近年は、完全自動のタイヤ製造ロボットが開発され、こうした手作業が機械化され格段のユニフォーミティを実現していますが、すべてのタイヤをロボットで製造するにはまだしばらく時間がかかりそうです。
あまり知られていないことですが、アルミホイールもじつは重量バランスのばらつきがあります。
ですから、バランスをとらずにタイヤを組んで走らせるというのは、かなり無茶なことだといっていいと思います。
バランス取りはタイヤ交換では必須項目
それからもうひとつ。ホイールに組んだばかりのタイヤは、タイヤをリムにはめ込むためにリムやビード部に水や薄いせっけん水などを使うことがあります。
水分を付けることで組み込みやすくしているわけですが、タイヤを組んだ直後に急加速したり急ブレーキをかけるとリムの上をタイヤが滑って組み込み位置がずれてしまうことがあります。
こうなると当然バランスは狂ってしまいますから、せっかくのバランス取りも台無しです。組み込み後しばらくは急な加減速をしないこと。これも案外大切なタイヤ組み込み後のケアです。
話がだいぶ横にそれてしまいましたが、タイヤのバランスを取らないとさまざまな問題を引き起こしたり、重大なトラブルを見つけられなかったりと、まったくいいことがありません。バランス取りはタイヤ交換では必須項目です。
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