電動化や自動化によって、日々、高性能になっていく自動車。最新装備が追加されていく影で、置き換えられてしまった装備もあります。
いつの間にか見なくなったクルマの装備、あなたは全部、覚えていますか。
文:吉川賢一、写真:三菱、トヨタ、マツダ、ベストカー編集部
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アースベルト
静電気による事故を防止するために装備されていましたが、現在ではこのアースベルトを装着しているクルマはほぼ見かけません。その理由は、「実は必要なかったのではないか」ということに気づいたから。
タイヤのゴムの主成分であるカーボンブラックは、電気を通す性質があり、そもそもタイヤにはスチールワイヤーも使われているので、実は走行しているだけでタイヤから放電していたのです。
速度警告音
「キンコンキンコン」という音を懐かしいと感じる方は、間違いなく40代以上でしょう。今から35年ほど前までは、クルマの速度が100km/h以上(軽自動車は80km/h)になると、警告音が鳴るよう、保安基準によって義務付けされていました。
しかし、車検の検査項目にも含まれていた装備であったため、日本に輸入される海外メーカーのクルマにもつけなければならず、海外メーカーからの強い反発によって、義務付けが撤廃されました。
ほかにも、「キンコン」の音が単調であることから、ドライバーの眠気を誘い「逆に危ない」という指摘もあったようです。
レース生地のシートカバー(オプション装備)&モケットシート
どちらも昔のセダンで多く見かけた装備です。シートの上半分にだけつけるレース生地のシートカバーは、今ではタクシーなどでしか見かけなくなりました。
ただ、セダンユーザーには根強い人気があるそうで、今でもオプション装備として残されています。
また、滑りにくく肌触りのいいモケット生地のシートは、今でも電車や観光バスなどに多く使われていますが、製造に手間がかかるためコストが高く、クルマにはほとんど使用されなくなりました。
灰皿&シガーライター
今から50年前は、成人男性の8割以上が喫煙者、という時代でした。
当然クルマにも、喫煙に必要な装備は必須アイテムでしたが、禁煙時代へと進むと、灰皿の場所には、「ノースモーカーボックス」という小物入れに置き換えるオプションが用意されるようになり、そしていつしか灰皿は消えていきました。
シガーライターがあった場所も今では電源を取る「アクセサリーソケット」へと移り変わっています。
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