車のライトもついに「自動」が義務に!
新型車では2020年4月、継続生産車では2021年10月から乗用車(5ナンバー、3ナンバー)のオートライトの装備が義務化される。
義務化前の現時点でも、ウインカーレバーに「AUTO」のポジションがあり、ヘッドライトを自動で点灯・消灯する機能を持つ車は多数を占める。ただ、義務化となれば、オートライトが付いていない車の数はこれまで以上に減少するだろう。
無灯火の車を減らす意味で絶大な効果が期待できるオートライトは、なぜ義務化されるのか? 便利な機能だけに、注意点も合わせて知っておきたい。
文:永田恵一
写真:SUBARU、HONDA、編集部、VW、Adobe Stock
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なぜ今オートライト義務化? 「自発光メーター」の普及も背景に
ポジションライトやテールランプ、ヘッドライトといった灯火類のスイッチを「オート」にしておくと、明るさに応じて灯火類が自動で点灯するというもの。トヨタ車では「コンライト」と呼ばれる。
機構としては、ダッシュボートの奥やガラスに設置された照度センサーで周囲の明るさを検知し、周囲が暗くなってくるとその度合いに応じてポジションライト&テールランプ、ヘッドライトの順に灯火類が点灯する。
オートライトは平成初期あたりにトヨタ セルシオに代表される高級車から装備されるようになり、現代では後述するようにそう珍しい装備ではなくなってきている。
●オートライト義務化の背景は?
無灯火は、自車にとっては(周囲が)見づらくなり、周りを走る車や歩行者などからもテールランプが点かないことも含め認知しにくいなど、当然ながら非常に危険な行為だ。
しかし、ここ15年ほど、特に都市部や市街地では意外に見かける行為となっている。その理由としては、
・昔は周りが暗くなるとメーターなども暗く見づらくなり、ライト点灯のタイミングになっていたが、メーターが常時明るく見やすい「自発光メーター」の普及により、視認性が向上。メーターの見づらくなる=ライト点灯のタイミングになりにくくなった
・市街地や都市部では、道路の照明や店舗などの施設の照明が充実しており、車に乗っていると、周りの暗さに気付かずに無灯火で走ってしまう場合がある
といったことが挙げられる。
また、2015年の統計では歩行中の交通事故死者数が、日没が近くなった17時~19時台に掛けて急激に増えているという事実もあった。こうした背景もあり、2018年10月にオートライトの義務化が国土交通省から発表された。
●どれだけ暗いと点灯? オートライト義務化の中身
オートライト義務化の大まかな内容は以下のようなものだ
・ヘッドライトのロービームが、以下の周囲の明るさに応じて自動的に点灯および消灯する
・周囲の照度が1000ルクス未満になるとロービームが2秒以内に点灯する
・周囲の照度が7000ルクスを超えるとロービームが5秒から300秒以内で消灯する
(※周囲の照度が1000ルクス以上7000ルクス以下での点灯や、点灯と消灯までの応答時間は自動車メーカーに委ねられる)
なお1000ルクスは、路上だと無灯火の車両がブレーキを踏むとブレーキランプが目立って見え始める明るさだ。
明るさが1000ルクスを下回る時間帯になると、屋外では日没も重なり、急激に周囲が暗くなってくるタイミングでもあるので、オートライトのタイミングとしては適切なところだろう。
そして、義務化後のオートライトは、ヘッドライトかフォグランプのスイッチをオンにして点灯している場合と駐停車状態を除いて、手動による解除ができるものであってはならない。つまり、走行中は周囲の照度が1000ルクス未満になればヘッドライト「オン」となる。
コメント
コメントの使い方ハイエースは義務化にしないとダメだろ、