もはやスライドドアじゃないと売れない!? 栄枯盛衰 ヒンジ式ドアのミニバン哀歌

■グローバル展開を前提にしたコンパクトカーには違うポイントが

 スライドドアがもてはやされるのはミニバンだけでなく、軽自動車やコンパクトカーにも当てはまる。軽自動車は、4大勢力のすべてがヒンジドアのハイトワゴンとスライドドアのスーパーハイトワゴンを揃えており、後者のほうが販売台数は圧倒的に上。

 コンパクトカーについては、ヒンジドアのほうがまだ主流という印象だが、ダイハツがトヨタにOEM供給するモデルやコンパクトミニバンの2列シート車も結構な勢いで売れている。

 最近ではコンパクトカーと呼ばれるクルマでも、全幅が5ナンバー枠ギリギリのものが多いのに対し、軽自動車ならヒンジドアでも駐車場で隣りのクルマのことをそれほど考えなくても済みそうだが、いずれも共通していえそうなのは子育て層かどうかによるということだ。

軽スーパーハイトワゴンでもスライドドアが大人気だ

 子育て層はやはりスライドドアのなかから選ぶ人が多くなるだろうし、まだ単身の若い層や逆に子育てが終わった中高年層で日常の足としてクルマを使うユーザーは、価格的によりリーズナブルなヒンジドアのなかから選ぶケースが多くなると考えるのが妥当だろう。

 むろんそのあたりの事情とは関係なく、純粋にデザインや知名度で選ぶ人ももちろん多い。とりわけコンパクトカーの世界では、今でもヒンジドアのほうが圧倒的なのは、グローバルに展開されて世界の競合車と戦うことを視野に入れたモデルの大半がヒンジドアだから。

ガラパゴスな軽自動車とは異なり、グローバル市場をターゲットにしているコンパクトカーではヒンジドアがスタンダードとなっている。トヨタ「ヤリス」もその一台だ

 トヨタ「アクア」や日産「ノートe-POWER」のようなハイブリッド車もあれば、トヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」のように話題性の高いニューモデルに対し、日本でガラパゴス的に人気を得たいくつかのスライドドア車よりも魅力的に感じる人がまだまだ多いのは不思議なことではない。

 熾烈なコンパクトカーの世界で人気を得るには、スライドドアの有無よりも、いかにキャラを確立したクルマであるかのほうが問われるといえそうだ。

【画像ギャラリー】かつては人気車だった! ヒンジドアを採用していたモデルたち

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