バッテリーはどこで買う、何を選ぶ?
これまではバッテリーの構造による違いを紹介したが、バッテリーには購入方法による違いもある。
これは同じクルマでバッテリー交換をしようと思ったら、ディーラーで純正部品扱いのバッテリーに交換するか、街の整備工場やカー用品店の社外品のバッテリーに交換するか、ネット通販などで社外品のバッテリーを購入して自分で交換するかの3通りある。
通販は自分で交換するなら割安だが、古いバッテリーの処分に困ることもある(販売先に送ると回収してくれるところもある)ので注意しよう。ちなみに廃バッテリーは金属回収業者では意外と高く(数千円)買い取ってくれる。
カー用品店での交換の場合、バッテリーメーカーのバッテリー以外に、PBブランドのバッテリーを選ぶという選択肢もある。というのもカー用品販売大手のオートバックスでは、PBブランドのバッテリーを充実させており、これがなかなかの内容なのである。
バッテリーメーカーは前述の種類を揃えている(ドライバッテリーは特殊なので専門メーカーのみ)が、オートバックスのPBブランド「GAIA(ガイア)」も4種類のグレードでそれぞれ様々な容量を用意するほど、豊富なラインナップを用意しているのだ。
なぜこんな状態に…と思いオートバックスの広報室に話を聞いてみた。
「車種によってバッテリーのサイズは決まっているんですが、同じ車種でも使用目的が違うので、使われ方にも差があるんですね。なのでそれぞれの使い方に合わせて選んでいただけるように現在のラインナップになりました」。
スタンダードな補水タイプのGAIA BRONZEから、充電制御車に対応したメンテナンスフリーのSILVER、アイドリングストップ車にも対応する上級タイプのGOLD、そして最上級のPLATINUMは業界最高水準の性能を誇っているという。
「カーナビやドラレコを装着したり、カーオーディオをグレードアップされる方などはバッテリーの負荷が増えているので、グレードアップや容量アップをされる方が多いですね」(オートバックス広報室)。
しかもオートバックスのバッテリー生産は、有名バッテリーメーカー数社に委託。最上級のGaia platinumはどうみてもパナソニックの高性能バッテリー「CAOS」のようで、パッケージにもCAOS品質を謳っており、パナソニック製と明記されている。
それでいて、容量とサイズ、仕様を考えると、バッテリーメーカーの高性能バッテリーより割安な印象だ。
「やはりPB商品なので、価格面で強みが出せるようにしています。バッテリーの製造メーカーも数社に依頼して、調達コストを最適化しています」(オートバックス広報室)。
バッテリーの寿命を短くする運転はしない
定期的にバッテリーの充電状態をチェックして、補充電することでバッテリーの寿命は大きく変わってくる。現代のクルマはコンピューターの塊で、バッテリーを外すとメモリの記録が消失してしまうなど、面倒なことも多い。
そのためクルマにバッテリーを搭載したままで充電できる充電器が用意されている。
しかもサルフェーションという劣化現象を解消するパルス充電ができる充電器を使えば、極板やセパレーターなどバッテリーの構造が物理的に壊れるまで、バッテリーを使い続けることができる。
MF型でもバッテリー液は少しずつ減っていくので、補水できるタイプもある。パナソニックのバッテリーはMF型でも補水可能だ。
バッテリー液が少ないまま使っていると、極板が空気に触れて火花が発生することもある。その時に内部で発生した水素ガスに引火すると、バッテリーケースが破壊されてしまうので非常に危険だ。
バッテリーケース側面のレベルゲージ、あるいは上面のインジケーターからバッテリー液レベルを定期的にチェックしよう。
バッテリーの容量を増やすのも、耐久性を高めるには有効だ。純正で設定されているバッテリーは、サイズだけでなくコストの問題でも容量が決まっている。
バッテリーの容量を増やすと流せる電流に余裕があるので、電圧降下が起こりにくい。結果としてバッテリーの負担は小さくなるので、長持ちすることになるのだ。
バッテリーの容量を上げると聞くと、バッテリーが大きくなってエンジンルームに入らないのでは? と思われる向きもおられることだろう。外形寸法はそのままで容量がアップしたバッテリーが用意されている。
基本はバッテリーのこまめなチェックが大事ということがおわかりいただけただろうか?
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