水だと腐る? 1回補充すると何回使える? 意外と深いウォッシャー液の使い方

 間もなく梅雨の季節を迎えますが、愛車のウインドウウォッシャー液(以下ウォッシャー液)はどれくらい入っているか把握していますか?

 雨ざらしで長期間駐車した青空駐車のクルマのウインドウや、まさに新緑の今にありがちな、高速道路を走った際に小さい虫が当たってこびりついてしまったフロントウインドウなどは、ウォッシャー液がないとキレイになりません。そんな時にウォッシャー液が入っていないと困りますよね。

 そもそもウォッシャー液をいつ補充したのか覚えていないという人や、ウォッシャー液がなくなっても水を入れればいいやと思っている人はいませんか?

 そんな人のために、水道水や家庭用洗剤を薄めた水でも代用できるのか、何回使うとタンクにウォッシャー液がなくなってしまうのかなど、ウォッシャー液の正しい使い方を改めて紹介していきましょう。

文/高根英幸
写真/ベストカーWeb編集部 Adobe Stock

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いざという時のためにウォッシャー液点検のススメ

長期間、青空駐車していたり、高速道路で虫がフロントウインドウにあたってこびりついたりするとウインドウォッシャー液でないと取れないことが多い

 いざ使おうと思った時に切れていて困るモノにウォッシャー液がある。雨でも降らないかぎり、運転の度に毎回使うものではないだけに、たまに使っていると前回補充した時からどれだけ使っているかなんて、ほとんどの人は意識していないはずだ。

 使い切らなくても、わずかに残った状態でウォッシャー液が切れてしまった時のリスクが2つあるのをご存じだろうか。

 1つはウォッシャー液の噴射と連動してワイパーが作動するので、ワイパーがウインドウを乾拭きすることになり、砂粒などの硬い粒子とウインドウガラスをこすりつけてしまい、ウインドウにワイパー状のキズを付けてしまうことになる。

 もう1つはウォッシャー液を噴射させるポンプは作動時にウォッシャー液自体が潤滑や冷却も行なうので、空打ちしてしまうとポンプの寿命を縮めてしまう危険性があるのだ。

 もちろんウォッシャー液が出ない原因は、タンクが空になったのではない場合もある。

 ノズルやホースの目詰まりなども原因になるが、だからといって出ないウォッシャーを何度も作動させようとするのは、解決にはならないからやめた方がいい。

ウォッシャー液のタンク容量はどれくらい?

ウォッシャータンクの容量はクルマにもよるが2~5L。1回の噴射につき10㏄消費する

 特に欧米ではクルマの視界確保に対する要求が日本より高く、ユーザーのレポートも重視されてきた風土があるためにウォッシャータンクの容量は確保する必要がある。

 そのため、エンジンルームをコンパクトにしたいエンジニアは、どうにかしてウォッシャータンクの容量を確保するべく、サイドメンバーの下やフロントフェンダーの内部にタンクを設け、注入口だけエンジンルームまで延ばしている、というパターンも多い。それだけウォッシャー液は地味ながら重要なアイテムなのである。

 大抵のクルマで2~5Lの容量を確保している。容量が少ないのはクルマが小さく、リアウインドウにワイパーを装備していない仕様に多く見られる。

 容量が大きいのは比較的サイズが大きいクルマや寒冷地仕様車やヘッドライトウォッシャーを装備しているクルマ、さらにはメンテナンスの頻度が少なめなビジネス車(乗りっ放しにされてもある程度耐えられるよう)に使われるようだ。

 ただし、軽自動車はスペースの関係もあってタンク容量は少なめで、特にハイトワゴンの場合フロントウインドウの面積が広く、ワイパーが大きい割にタンク容量が小さいので、意外と早くウォッシャー液を使い切ってしまうので注意が必要だ。

 例えば平均的な4Lのウォッシャータンクをもつクルマの場合、1回に10ccのウォッシャー液を噴射させると400回は作動できることになる。

 1日1回毎日使っても1年以上は無補充で使い続けられると思ってしまうが、実際はもっと早い期間に使い切ってしまうことがほとんどだ。

 なぜなら、大抵は1回ウォッシャーを作動させただけでは十分に汚れを解消できず、何度か噴射させることになるハズだ。

 最初にウォッシャーを作動させると、ワイパーが連動して動いてウォッシャー液をガラス面に広げながら汚れを拭っていくが、1回数秒間の噴射ではワイパーの作動範囲全体までウォッシャー液が行き渡らず、中途半端に汚れが残ってしまったり、塗り広げられてしまう。

 そのためワイパーが作動している状態でさらにウォッシャー液を噴射させてワイパーの届く範囲全体をしっかり濡らして汚れを落とし切るからだ。

ウォッシャー液は家庭用洗剤で代用できる?

LIXILビバの「オールシーズンウォッシャー液」は2Lで198円

 一般的なウォッシャー液、例えば私が使っている、全国にホームセンターを展開しているLIXILビバの「オールシーズンウォッシャー液」の成分は界面活性剤とアルコール、防錆剤などが含まれている。

 界面活性剤は洗剤としての成分で、汚れを浮かせて分解する。アルコールは速乾性と氷点を下げて冬場に凍結して使えなくなることを防いでくれる。

 さらに油分やたんぱく質(虫や鳥のフンなど)を落としやすくしてくれるもので、ウォッシャーを作動させると室内にアルコール臭が漂うことがあるのは、揮発したアルコールが外気導入のダクトから室内に入ってくるためだ。

 ただし、アルコール成分が含まれているウォッシャー液を誤ってエンジンやハイブリッドシステムなどにかけてしまうと、出火するおそれもあり危険。ウォッシャー液を補充する際には、必ずエンジンやハイブリッドシステムを停止した状態で作業したほうがいい。

 防錆剤はボディに付着した際、そこからサビが発生することを防ぐために添加されている。したがって、一見、同じように見える家庭用食器洗剤などで代用するのは、やめておいた方がいい。

 最近の食器用洗剤は界面活性剤の配合比率が高いため、汚れを落とす効果は高くかなり希釈できるので経済的に思えるが、泡が消えにくいなど専用品ではない故の問題もある。

 抗菌効果を謳う洗剤でも水で希釈してしまうと効果はほとんどなくなるし、継ぎ足しする時に希釈比率を安定させるのも難しい。

 その点、ウォッシャー液は原液のまま使用するタイプが多く、冬季以外は2、3倍に希釈して使えるから、それほど希釈比率に気を使わずに使える。

 ちなみに水で希釈するタイプのウオッシャー液の場合、水を入れても何ら問題はない。

■希釈するタイプのウォッシャー液の希釈割合と凍結温度(一例)
●原液1/水0=凍結温度マイナス20度
●原液1/水1=凍結温度マイナス7度
●原液1/水2=凍結温度マイナス4度

水道水、ミネラルウォーターを入れると腐る?

 ウォッシャー液がドライブ先でなくなってしまい、どうしてもウォッシャー液が手に入らない時には、よほどの緊急ではないかぎり、水を入れるのは避けた方がいい。

 特に殺菌成分のカルキが含まれていないミネラルウォーターは、入れない方がいい。

 以前入れていたウォッシャー液の洗浄成分や埃や汚れなどが混じったウォッシャータンクに殺菌成分のないミネラルウォーターを入れてしまうと、雑菌やカビなどが繁殖してしまい、さらにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がウインドウやボディに付着してしまうことがあるからだ。

 水道水に関しても同様だ。殺菌成分のカルキが入っているのでミネラルウォーターよりはましだが、ウォッシャー液のような長期間の防腐効果はないからだ。

 短期間で使い切れる量ならばいいが、長期間放置すれば腐ってカビや最悪、藻が発生し、ノズルやパイプを詰まらせてしまうこともあるので注意が必要だ。

撥水効果のあるウォッシャー液がお薦め

撥水タイプのウォッシャー液がかかったフロントウインドウはこのように水をよくはじいている

 現在はウインドウコーティング剤と同じ撥水効果のあるウォッシャー液も出回っている。

 これは純粋にウインドウを撥水コーティングするケミカルほど高い撥水効果を発揮するものではないが、普通のウォッシャー液を使用するより、ウインドウコーティングの効果は長持ちするので、なるべく手間を掛けずにウインドウコーティングを持続させたい人にはお薦めしたい。

 ここで気をつけてほしいのは、これまで入れていた油膜取りタイプのウォッシャー液など、別の機能を持ったウォッシャー液と混ぜないことだ。しっかり、使い切ってから入れないとやっかいだ。ノズルの詰まりや液の変質の恐れがあるからだ。

 寒冷地用には解氷作用のあるウォッシャー液もある。大量の虫や大きめの昆虫などがウインドウに当たって潰れてしまった場合は、ウインドウウォッシャーを作動させない方がいい場合もある。

 虫の体液などをワイパーが塗り広げて、むしろ視界を悪化させてしまうこともあるのだ。

 虫汚れがひどい場合は、ワイパーを使わずに虫汚れ専用のケミカルを使ったほうがいい。これはボディ用として販売されているが、もちろんウインドウ面にも使えるものだ。

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