新型タフトは王者ハスラーに勝っているか?? 新時代の軽SUV2トップ激突!!

新型タフトは王者ハスラーに勝っているか?? 新時代の軽SUV2トップ激突!!

 軽SUVに“刺客”登場! ダイハツの新型タフトと王者スズキ ハスラー。それぞれのストロングポイントは?

 2020年6月に発売されたダイハツ タフトは、スズキ ハスラーに似ている。両車とも軽自動車だから全長と全幅が同じなのは当然だが、全高もタフトは1630mm、ハスラーは1680mmで、1600~1700mmのハイトワゴンに属する。

 ボディスタイルは両車とも水平基調で、ウエストライン(ボンネットからサイドウインドーの下端まで続くライン)も直線的だ。そのためにフロントマスクに厚みがあり、外観の存在感も強い。

 両車とも軽自動車のハイトワゴンでありながら、外観にはSUVの特徴を盛り込んだ。タイヤサイズは両車とも15インチで、最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)はタフトが190mm、ハスラーも180mmと高い。両車は共通点が多い。

 そして、ハスラーの発売は、初代(先代モデル)が2014年1月、現行型は2020年1月だ。タフトの発売は前述の2020年6月だから、ハスラーに対抗する商品と受け取られる。挑むタフトと、迎え撃つハスラーの構図だ。そこで両車を比較してそれぞれの優れている部分を、項目別に見ていきたい。

文:渡辺陽一郎
写真:DAIHATSU、SUZUKI、編集部

【画像ギャラリー】写真で見ると「違い」一目瞭然!? 新型タフトVSハスラー


取り回しや居住性など使い勝手はどちらが優勢?

■取りまわし性比較

タフトの最小回転半径は4.8m。ハスラーが僅かにこの値を凌ぐ

 外観の評価は、見る人によって異なる。しかし最小回転半径はタフトが4.8m、ハスラーは4.6mに収まる。ハスラーの方が小回り性能が優れている。

*ハスラーの勝ち

■内装比較

タフトのインパネ。トレンドのSUVらしく差し色を使ったカジュアルなデザインでパーキングブレーキは電動式となる

 インパネの視認性や操作性は同程度だ。両車ともATレバーをインパネの中央に配置して、空調スイッチも比較的高い位置に装着した。

 ハスラーのインパネは、オレンジ色やブルーのフレームが3つ並んだ形状で遊び心を感じるが、これも見る人の好みで評価が変わる。

 インパネ周辺の機能で異なるのはパーキングブレーキだ。ハスラーは一般的な足踏み式だがタフトは電動式だ。インパネ下側の手前に装着されたスイッチで操作できて先進性がある。

*タフトの勝ち

■居住性比較

ハスラーのリアシート。タフトにはない、スライド機構を持ち、左右独立して室内や荷室のスペースをアレンジできる

 両車ともに全高が1600mmを超えるために車内は広いが、後席の居住性は異なる。ハスラーでは後席に左右分割式のスライド機能が備わり、後端まで寄せると前後席に座る乗員同士の間隔を1035mmに拡大できる。

 タフトの後席にはスライド機能が備わらず固定されている。前後席に座る乗員同士の間隔は900mmだ。900mmでも後席の足元空間はLサイズセダンと同等以上だが、ハスラーに比べると狭い。

 また、後席にチャイルドシートを装着した時、ハスラーであれば、前側にスライドさせて運転席に座る親との間隔を詰められる。信号待ちの時などに子供のケアをしやすい。この時には車内最後部の荷室も広がり、ベビーカーなどを積みやすい。

 その点でタフトの後席はスライドしないため、前述の使い勝手が得られずハスラーに劣る。

*ハスラーの勝ち

■荷室&積載性比較

ハスラーのラゲッジルーム。荷室においてもスペースが限られる軽自動車でスライド機構を持つリアシートはメリットになる

 両車とも荷室には、汚れを落としやすい素材を使う。SUV感覚の車種とあって、屋外で使った遊びのグッズも気兼ねなく積める。

 ただし、シートアレンジは異なる。ハスラーの後席は、背もたれを前方に倒すと座面も連動して下がり(いわゆるダイブダウン機能)、床の低いボックス状の荷室に変更できる。

 前述の通りハスラーの後席にはスライド機能も備わり、座面の昇降機能を含めて、すべて左右独立式だ。全高が1700mmを超えるスペーシアやタントと同様のシートアレンジを採用した。

 その点でタフトの後席は座面が固定され、昇降機能、スライド機能ともに非装着だ。背もたれが単純に前側へ倒れるだけ。専用のボードを使うことで、アンダーボックスの機能は得られるが、荷室の実用性はハスラーが勝る。

*ハスラーの勝ち

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