クラッチ操作なしでアクセルを軽く踏むだけでクルマが動き出すAT車は、MT車と比べて操作が簡単なことがメリット。今や国内を走るクルマのほとんどがAT車と言えるが、異変を放置すると大変なことに……。
文:山口卓也/写真:スズキ、ダイハツ、ホンダ、写真AC
【画像ギャラリー】変速がおかしいと思ったら要注意!(4枚)画像ギャラリークルマの変速機は主に5種類ある
発進時や登り坂ではトルクを、高速道路ではスピードが必要な時、適切なギアを選択して効率よくエンジン出力を伝達するために必要不可欠と言えるのが変速機(トランスミッション)。
「手動のMTか自動のATか?」だけで語られることが多いが、実は現代のクルマにはさまざまな方式の変速機が搭載されている。ここでは、代表的な5種類を紹介する。
●MT(マニュアルトランスミッション)
かつては「ミッション」や「ギア付き」、現代では主に「マニュアル」と呼ばれる今や少数派となった手動変速機。慣れとコツが必要なクラッチとシフトレバーを操作してギアを選択して駆動を伝達するが、動力伝達効率が高く、アクセル操作に対する反応がダイレクトという利点がある。
構造が簡単で耐久性は高いが、半クラッチを多用するなど操作が適切でないとクラッチ周辺の損傷・摩耗が驚くほど早く訪れる場合もある。
●AT(オートマチックトランスミッション)
「オートマ」と呼ばれる自動変速機で、クラッチペダルを使わず、変速操作も自動で行う。実は後出するCVT、DCT、AMTたちも「自動変速機」なので広い意味では「AT」と言えるのがややこしいが、ここではトルクコンバーター式のステップATを単に「AT」として紹介する。
一般的な「ステップAT」では、トルクコンバーター内のフルードを介して動力を伝え、遊星歯車機構(プラネタリーギア)や複数のクラッチなどを制御して変速する。
●CVT
「Continuously Variable Transmission」の略で、ATの一種。向かい合う2つのプーリー(円錐状の滑車)それぞれの溝幅を油圧で無段階に変更し、それらを金属ベルト等で連結することで連続的な変速を自動で行う。
シンプルな構造のため比較的低コストで製造できるが、一般的なベルト式CVTは伝達できるトルクに制約があり、ハイパワーエンジンへの対応は苦手。CVT自体の故障では高額修理となることが多い。
●DCT
「Dual-Clutch Transmission」の略で、ATの一種。動力伝達効率の高いMTの構造のまま、奇数段と偶数段それぞれにクラッチを持ち(デュアルクラッチ)、必要な時にクラッチを切り替えることで変速。変速ショックが少ないスムーズな加速と低燃費が魅力だが、構造が複雑なため故障時の修理費用が高額になりやすい。
●AMT
「Automated Manual Transmission」の略で、ATの一種。MTの高い伝達効率とATの利便性を目指してクラッチ操作とシフト操作を自動化。燃費性能にも優れ、クラッチ操作が不要なことからドライバーの疲労低減にも有利。
ただし、変速時に「トルク抜け」や「ギクシャク感」を感じることがあるのが難点。構造は比較的簡単だが、故障箇所によっては修理費用(工賃)が高額になる場合も。







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