クラッチの“切れ”が悪くなった
クラッチペダルを踏んでも、エンジンとクラッチが完全に切り離されなくなる(エンジンからトランスミッションへの動力を十分に断てなくなる)現象を「クラッチの切れが悪い」という。
当然ながらこの状態ではスムーズな変速が難しくなり、エンジンが停止してしまう可能性もある。
このトラブルはクラッチフルードの劣化が要因になっていることが多い。
多くのMT車では油圧を利用してクラッチペダルの操作をクラッチ機構に伝えている。
その油圧を担うのがクラッチフルードと呼ばれる液体で、ブレーキ用のブレーキフルードと同じものと考えてよく、クラッチフルードとブレーキフルードのタンクを共用する車種もある。
クラッチフルードもまた、使用するに従って劣化してしまう。
クラッチフルードには吸湿性があり、空気中の水分を吸収することによってフルードの沸点が下がり、高温で沸騰すると気泡が発生して油圧を変化させることがある。
また、エンジンやトランスミッションで発生する熱によってもフルードの劣化は進行する。
劣化したクラッチフルードでは必要な圧力が得られず、クラッチの作動も悪化するので、劣化した場合はもちろん、定期的な交換も行わなくてはならない。
交換の目安は前回の交換から5年、あるいは走行距離5万kmといわれているが、これもまた操作の仕方や走行条件などで大きく変化する。
クラッチの切れが悪くなったと感じたら、まずはクラッチフルードが劣化して黒ずんでいないか確認し、異常が見られた場合は速やかに点検を受けて、必要に応じて新品に交換したい。
今回見てきたMT車のトラブルとその対策だが、まだまだほかにもトラブルはある。
今や貴重な存在となったMT車だけに、乗っている人はトランスミッションやクラッチを丁寧に扱って、快適なMT車生活を送ってほしい。
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