2020年6月8日、トヨタRAV4に待望のプラグインハイブリッドモデル、「RAV4 PHV」が追加された。
RAV4 PHVは販売目標300台/月と、控えめな数字であったが(※RAV4は目標3000台/月)、決して安くない車両価格(税込469万~539万円)にもかかわらず申し込みが殺到し、わずか3週間で国内受注が停止となった。
(編注:トヨタ広報によると、受注を一時的に止めているが、受注再開の時期はホームページにてアナウンスする、とのこと)
現在、日本車メーカーから販売されているプラグインハイブリッドは、プリウスPHV、三菱 アウトランダーPHEV、ホンダクラリティPHEVの3台だけ。
そんななか登場した、今回のRAV4 PHV。国内におけるプラグインハイブリッド普及にむけたゲームチェンジャーとなりうるのか、試乗を通して気づいた、RAV4PHVの可能性について、考察する。
文:吉川賢一、写真:トヨタ、奥隅圭之
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RAV4 PHVは燃費も走りも良いマルチパーパスビークル
RAV4 PHVは、カテゴリ的にもサイズ的にも、やはりアウトランダーPHEVが想定ライバルとなる。
そのアウトランダーPHEVの駆動用リチウムイオンバッテリーの総電力量は13.8kWh、EV走行可能距離は65km であるのに対し、RAV4 PHVはバッテリー総電力量18.1kWh、EV走行距離は95kmと、なんと約4割以上も上回ってきた。
パワートレインは、RAV4ハイブリッドの2.5Lエンジン&E-Four(電気式4WDシステム)に、新開発のプラグインハイブリッドを組み合わせたシステムだ。
「THS II Plug in」と呼ぶこのシステムは、従来のハイブリッドシステムよりも、フロントモーターとインバーターを高出力化し、大容量かつ高出力の新型リチウムイオンバッテリーと組み合わせたものだ。
その結果、システム最高出力は、RAV4ハイブリッドより62kW(84ps)も大きい225kW(306ps)にもなり、時速0-60マイル(0-96km/h)加速は6.0秒と、RAV4史上、最速モデルとなった。燃費も、RAV4ハイブリッドの20.6km/L(WLTCモード燃費)に対し、RAV4 PHVは22.6km/Lと、10%近く改善をしている。
GA-Kプラットフォーム採用による走りの質感と、本来のRAV4が持つどこまでも走れるような逞しさ、そしてハイブリッドを超える燃費、そしてアクセルペダルを踏めば相当に速い、というマルチパーパスビークルとして、RAV4 PHVは、重箱の隅の欠点さえ、見つけるのが難しい仕上がりのクルマだ。
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