プライバシーガラス採用車でもフィルム追加は効果アリ?
フィルムとガラスとの違い、それは熱伝導率だ。ガラスは熱伝導率が高い上に比熱も高い(=温度が上がりにくい)ため、金属のように常に周囲の気温より低い温度を維持している。そのため冬はガラスを通じて冷気が室内に伝わってきてしまう。
フィルムのような樹脂は熱伝導が低いため、ガラスの冷たさを伝えず室温に影響を与えにくいため、冬は陽射しをカットしながらも暖房の効果を高めるので、結果として暖かくなりやすいというメリットがある。
また、もともとIRカット機能があるガラスでも、さらにIRカット機能があるフィルムを貼ればより遮へい率は高まり、室内を涼しくしてくれる、ということになる。
そんなフィルムには色の種類と濃度、それにUVカットとIRカットという機能の有無によって違いがあり、各メーカーそれぞれ様々なバリエーションを用意している。
もちろんプライバシーガラスではないクルマの場合は、後席のプライバシー性を高めることができる。プライバシーガラスを採用している車種でもさらに色付きフィルムを貼って、外からは見えないほどスモークを濃くしているクルマも珍しくない。
この色付きフィルムの場合、着色はフィルムを後から染める染色と、フィルムの素材に顔料を混ぜて着色する原料着色、通称原着があるが、それぞれにメリットがある。
染色は色の鮮やかさを求めるようなカラーのフィルムには向いているが、スモークなどの濃い色は光の当たり方によって白く曇ってみえてしまうこともある。
紫外線などによる色褪せも比較的大きいようだ。原着は濃い色でも発色が自然で染色と透過率が同じでも透明感のある仕上がりとなるが、フィルム製造のコストは高くなる。
そのため種類も限られるようで、プロが使うフィルムは原着、カー用品店で販売されているフィルムは染色であることが多いようだ。
高性能なカーウインドウフィルムは3M、東レといった有名ケミカルメーカーの製品で、例えば3Mのカーフィルムは200層ものフィルムを重ね合わせることで透明ながらUVは99%、IRも80%のカット率を誇るものもある。
一方で、プロのフィルム施工業者は、そうした最高の性能を誇るカーウインドウフィルムを使っているかといえば、そうとは限らない場合もあるようだ。
ウインドウフィルム施工専門店に聞いてみた
東京都葛飾区の環状七号線沿いでカーウインドウフィルムとボディコーティングを専門に施工する「トラフィック」の金山 功代表に話を聞いてみた。
「ウチで使用しているのはIKCというメーカーのフィルムです。東レや3Mの製品は確かに良いんですが、価格ほどの差は感じません。つまりお客さんにとって一番お得な内容になっています」。
IKCは国産メーカーで品質も高く、価格もそこそこ。コスパを考えたら、最も納得できる仕様といえそうだ。
同店でもフィルムは色の濃さのほか、UVカットのみのタイプとIRカット機能もある断熱タイプを用意しているが、実際の価格差は5000円程度なので、ほぼお客さんは断熱タイプを選ぶそうだ。そりゃそうだ、絶対にモトが取れるに決まっている。
「今のクルマはプライバシーガラスになっているクルマが多いんですが、フィルムを貼るお客さんは、プライバシーガラスではスモークの濃度が薄いという印象を持っていますね」(トラフィック金山代表)。
気になる価格はリア3面(リアウインドウ、リアドア、リアクォーターウインドウ)で3万円から6万5000円。国産車と輸入車、ボディサイズなどで価格は変わってくるそうだ。
ちなみにトラフィックでは、電話で作業の予約をすると料金が30%オフになるキャンペーンを現在実施中だとか。
それを含めて考えるとフロントドア両側にクリアな断熱フィルムを貼ってもらっても5万円から6万5000円前後で収まる予算感だ。
作業時間は3時間程度ほどで貼ってもらえる(ただし施工後1、2日は窓の開閉は不可)から、葛飾周辺で買い物や散策するだけでフィルムを貼って快適になったクルマに乗って帰れる。
しかも1ミリ以下のゴミ混入を除き、色飛びや剥がれなどのトラブルは5年間保証してくれるそうだ。
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