≪ROUND6 CセグSUV≫1位 C-HR(2160台)× 2位 CX-30(1684台)
それぞれのアドバンテージを考えてみると、トヨタ「C-HR」はハイブリッドの設定(4WDはないけど、それもC-HRのキャラを考えれば大きな問題でないだろう)、個性的なスタイル。マツダ「CX-30」はキャビンとラゲッジスペースの広さ、インテリアのクォリティの高さ、といったところだ。
走行性能に関してはマイナーチェンジ前のC-HRは骨太なハンドリング&乗り心地だったが、2019年のマイナーチェンジで足回りが変更され、GRスポーツ以外はごく普通になってしまったため、互角の印象だ。
総合的に見るといい勝負の2台でC-HRが売れているのはマツダ約1200店舗に対し、トヨタは5000店舗近くというディーラーの数やトヨタの安心感、ブランドイメージの高さがかなりの部分を占めているように思う。そのあたりを考えるとスタイルなど好みがわかれそうなC-HR、ディーラー数の不利があるCX-30ともに健闘しているといえるのではないだろうか。
〈TEXT/永田恵一〉
【C-HRとCX-30との大きな差】
●CX-30は上質な内装
●ブランドイメージと安心感のC-HR
≪ROUND7 ボックスタイプミニバン≫1位 セレナ(7686台)× 2位 ヴォクシー(5149台)
この2台もそれぞれのアドバンテージを考えてみると、日産「セレナ」は運転支援システムプロパイロットと自動ブレーキの性能の高さ、レスポンスのよさやワンペダルドライブといったe-POWERの新鮮さ、豊富なシートアレンジや上部だけも開閉できるバックドアなどによる使い勝手のよさ。
トヨタ「ヴォクシー」はフロアの低さによる乗降性のよさ(セレナのフロアは3世代継続というプラットフォームの古さもあり高い)といった具合だ。
ヴォクシー/2014年、セレナ/2016年という登場時期もあり、日産の国内販売のエースでもあるセレナがカテゴリー1位なのは順当だ。
しかし、ボックスミニバン3強を比べた際に2020年7月の販売は3884台ながら、総合力が高いのはホンダ「ステップワゴン」となることや、ヴォクシーに兄弟車の「ノア」と「エスクァイア」を加えた販売台数は約1万1000台と、ヴォクシー兄弟には敵わない点なども考えると(次期モデルも遠くない)、セレナの天下もそう長くないように感じる。
〈TEXT/永田恵一〉
【セレナとヴォクシーとの大きな差】
●セレナのe-POWER
●セレナのシートアレンジ
●ヴォクシーの乗降性のよさ
≪ROUND9 軽スーパーハイト≫1位 N-BOX(1万6222台)× 2位 スペーシア(1万3338台)
静粛性の高さや乗り心地のよさといった快適性、高性能な自動ブレーキ&運転支援システム、インテリアに代表される各部のクォリティの高さなど、ホンダ「N-BOX」は日本で買えるクルマ全体で見ても最強の実用車の1台である。
対するスズキ「スペーシア」のアドバンテージは軽さを生かしたN-BOXよりも優勢な動力性能と燃費、絶対的にはN-BOXより安い価格、クロスオーバーのギアの設定くらいで、総合的に見たらN-BOXの圧勝だ。
さらにスペーシアは、ダイハツ「タント」や日産「ルークス」&三菱「eKスペース」に対しても勝っている部分は少なく、販売がカテゴリー2位というほうが不思議だ。それでもスペーシアがこれだけ売れるというのは、ディーラーだけではなく修理工場なども含めたスズキの販売力の強さが大きいのかもしれない。
〈TEXT/永田恵一〉
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