ハリアー対RAV4 ヤリス対フィット… 販売1位と2位の大きな差の理由

≪ROUND10 軽SUV≫1位 ハスラー(8831台)× 2位 タフト(6300台)

 2019年末にフルモデルチェンジされたスズキ「ハスラー」と、登場したばかりのダイハツ「タフト」と、登場時期には大差ないこの2台。

2代目へモデルチェンジした「新型ハスラー」。デザインは一見、キープコンセプトに見えるが、基本フォルムはよりスクエアになるなど初代を生かしながら洗練されている
2020年6月10日に発売された「新型タフト」。真骨頂といえる「スカイフィールトップ」は最廉価グレード含めて全車標準装備

 スタイルや雰囲気はいい勝負で、それぞれのアドバンテージを考えてみると、ハスラーは簡易なハイブリッドも貢献している動力性能と燃費、優勢と想像される自動ブレーキの性能、リアシートのスライド機能。タフトは全グレードに標準装備される大型サンルーフ、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を含めたブレーキホールド機能、といったところで大差ない。

 そのわりに2020年7月の販売台数では約2500台という小さくない差があるのは、ハスラーは先代モデルからの買い換えが期待できる点や先代モデルが人気車だっただけに知名度の高さなど、先代モデルの実績によるところも大きいように思う。そう考えるとタフトは充分健闘しているといえそうだ。

〈TEXT/永田恵一〉

≪ROUND11 軽ハイト≫1位 N-WGN(6160台)× 2位 ワゴンR(6135台)

 ホンダ「N-WGN」は乱暴に言えばN-BOXをハイトワゴンにしたモデルだけに、N-WGNも機能としては盤石で、ライバルにふさわしいのはN-WGN同様に昨年登場した日産「デイズ」&三菱「eKワゴン」だ。それだけにN-WGNがカテゴリー1位なのは納得だが、2位が僅差でスズキ「ワゴンR」というのには驚く。

2代目モデルに進化したホンダのハイトモデル「N-WGN」。2019年8月にフルモデルチェンジ。軽初の横断自転車の検知が可能になった
このカテゴリーを創出したフロンティアにふさわしいモデル「ワゴンR」。現行型は2017年12月にフルモデルチェンジされた歴代6代目となる

 N-WGNに対するワゴンRのアドバンテージはスタート価格が13万6000円安いこと、3つのフロントマスクがある点、軽さとマイルドハイブリッドによる動力性能と燃費くらいで、総合的にはN-WGNの圧勝だ。

 それでもワゴンRがこれだけ売れるのはスズキの販売力に加え、軽自動車のユーザーには自動ブレーキの性能に代表される質よりも、価格や今までの付き合いなどのほうを重視する人が多いからではないだろうか。

〈TEXT/永田恵一〉

≪ROUND12 軽セダン≫1位 ミラ(6403台)× 2位 アルト(5143台)

 この2台の販売台数はダイハツ「ムーヴ」のようにスズキ「アルト」は「ラパン」も含み、ダイハツ「ミラ」も「イース」と「トコット」のそれぞれ2台を合計したものとなる。

2014年12月にフルモデルチェンジして安っぽさは払拭された「アルト」(写真左)と、2017年5月にフルモデルチェンジを受け2代目となった「ミライース」(写真右)

 4台の登場時期はアルト/2014年、ラパン/2015年、ミライース/2017年、ミラトコット/2018年とミラ系のほうが新しい。しかし、比べてみるとアルト系に対するミラ系のアドバンテージは新しいのに浮かばず、アルト系は動力性能と燃費、スポーツモデルのワークスの設定、自動ブレーキの性能、ラパンの雰囲気など魅力は多い。

 それでもミラ系のほうが売れているのには驚かされるが、そうなるとミラ系のほうが売れている理由は登場が新しいからとしか思えない。それもアルト系とミラ系のユーザーが新鮮さを強く気にするとも考えにくいが、総合的にはアルト系はモデルが古いわりに健闘しているというのが結論ではないか。

〈TEXT/永田恵一〉

【画像ギャラリー】なぜここまで差が開いた!? 各カテゴリーの1位と2位を一気におさらい!

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