クルマは案外簡単に燃える!! いざという時に憶えておきたい車両火災の対応方法

走行中、火災が発生したらどうするか

 ごく初期の火災であれば、消火器を使って火を消し止めることもできる。ただし、それは火元に確実に消火剤を的中させることと、火災の種類に適した消火器を用いる必要がある。

 消火器に使われる消火剤には粉末、液体、気体の3種類があり、それぞれ消火能力に異なる特徴がある。ほとんどの火災に対応できるのはABC消火器と呼ばれる粉末タイプだが、粉末タイプは使用するとエンジン内部など細部にまで消火剤が入り込んでしまうので、もし初期消火で火災を食い止められたとしても、その後の処理が大変だ。

 気体タイプはCO2を圧縮して充填している消火器で、エンジンルームや室内を消火剤で汚すことはないため、高級車やクラシックカーに積んでいるオーナーも少なくない。ただし電装系が火元であれば、消火能力は低いという弱点がある。コンパクトなタイプでは、噴射時間も短いので、極めて初期の火災にピンポイントで消火できなければ、効果を発揮できない。

 クルマに搭載するのなら小型の液体タイプがおすすめだが、一般的には車載用消火器は確実に消火できることを優先してABC消火器をラインナップしているメーカーが多い。

一般的にはABC消火器の販売が多い。車載用製品は8000~2万円で購入可能。ABCの「A」は木材、紙、繊維などの火災、「B」は石油、その他可燃液体などの火災、「C」は変圧器など電気設備の火災を指す(bymandesigns@Adobe Stock)
一般的にはABC消火器の販売が多い。車載用製品は8000~2万円で購入可能。ABCの「A」は木材、紙、繊維などの火災、「B」は石油、その他可燃液体などの火災、「C」は変圧器など電気設備の火災を指す(bymandesigns@Adobe Stock)

 消火器がなければ、エンジンルームからの出火は自分では消しようがないから、ボンネットを開けるのは絶対に避けるべきだ。一気に酸素が入ることで火の手が上がる可能性がある。

 走行中にエンジンルームから煙が出たり、焦げ臭いような臭いを感じたら、まずは即座に路肩にクルマを停車させよう。そして貴重品を持ってクルマから急いで脱出することだ。そして火災なのか、別の要因(エンジントラブルやブレーキトラブルなど)なのか判断し、火災であれば自分は安全な場所に避難して、119番にダイヤルして消防車の派遣を依頼しよう。

 車両火災に遭ったら、クルマは全損になると覚悟しておいたほうがいい。初期消火に成功して、ボヤで済めば修理して復活することもできるが、そもそも燃えやすいクルマは、その可能性は低い。日頃の点検整備と車内の整理整頓で、車両火災を防ぐよう気を付けるようにしよう。

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