近年はSUVブームにより、スバル XVのようなクロスオーバーを含めたSUVの選択肢が非常に幅広くなっている。
この点は喜ばしいことであるが、それゆえSUVやクロスオーバーに分類されても、乗用車的なモデルからラフロードに強いモデルまで幅広く、「SUVらしく雪道などを走れるのか?」と感じるモデルもある。
そうしたなかで指標のひとつにあげられるのが「最低地上高」だ。一般的に最低地上高が高くなれば、さまざまな路面への対応力=走破性も上がるが、実用上どの程度の最低地上高が必要なのか?
本稿ではSUVで気にしたいスペックのひとつ「最低地上高」に着目して、“SUVらしく使うのに必要な最低地上高”を考えてみたい。
文/永田恵一
写真/スズキ、スバル、トヨタ、日産、三菱、ダイハツ、マツダ、奥隅圭之
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SUVにとって「最低地上高」はどのくらい重要なのか
「SUVをSUVらしく使う」、「SUVの魅力を存分に味わいたい」というなら、最低地上高はある程度は欲しい。その理由は以下の2つ。
【1】河原や雪道でフロアと路面が接触しないようにするため
オフロードコースのような悪路を走ることはないにしても、キャンプなどするために河原のようなところに入っていく、深い雪や柔らかい新雪といった雪道でフロア(床)が地面と接触しないというのはSUVにぜひ欲しい要素だ。
また、最近はFFがほとんどとなる2WDのSUVも増えているが、横滑り防止装置に代表される電子制御デバイスやスタッドレスタイヤの目覚ましい進歩もあり、4WDでなくとも最低地上高が確保されていれば2WDでも問題なく対応できることも少なくない。その意味でもSUVならある程度の最低地上高はほしい。
【2】SUVらしい乗降性のよさ、見晴らしのよさを得るため
このことはクロスオーバーがわかりやすく、車種による違いも大きいのだが、最低地上高が適度に高いと腰を屈めなくても、スムースに乗降できることがある。
また、最低地上高は運転する際の視点の高さにつながり、見晴らしが良くなる場合もある。この点は平成初期にパジェロのようなSUVがブームになった理由の1つでもあり、SUVらしさが際立つ。
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