かつて高級車中心に流行った2トーンカラーが再流行! 軽自動車でも増えている理由は?
車体を2色の塗装で塗り分ける2トーンカラーが選択肢として増えてきている。目立つのは、軽自動車での採用だ。
もちろん、登録車でも、小型SUVの日産 キックスは、2トーンとモノトーンという内外装色の違いによる選択肢があるほかは、機能面では1グレード(装備に若干の違いもあるが、注文装備で対応している)という販売の仕方だ。
トヨタのヤリスやヤリスクロスも、2トーンを訴求色に、モノトーンも選べる品揃えである。同じ車種でも、2トーンとモノトーンで与える印象が変わる場合もある。
文/御堀直嗣、写真/トヨタ、BMW、ホンダ、スズキ、ダイハツ、編集部
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クラウンやセドリックで設定! かつては上級車の装備だった2トーンカラー
2トーンカラーは、色分けのため塗装に手間がかかるので、かつては高級車などで採用されることが多かった。英国のロールスロイスや、ドイツのマイバッハなどにそうした例があるし、国内ではトヨタ クラウンや日産セドリックなどでも選択肢があった。
2トーンとは異なるが、米国のキャデラックなどでは、レザートップといって屋根の部分を革張りのように見せる外装がはやったこともある。2トーンにすることで、より高級であったり、優雅に見せたりできるところがある。
そもそも、クルマが誕生し、普及する初期の段階はほとんどの車体が黒で、移動の道具といった意味合いがあっただろう。
また当時は塗装の質も充分ではなく、有色の塗料のなかには耐久性が充分でなかったこともあるのではないか。
そうしたなか、1940年代に売り出されたフランスの2CVは、後年、限定車が販売されるようになり、たとえばチャールストンと呼ばれる限定車は黒とエンジ色の2トーンに塗り分けられ、機能優先の実用車として生まれた2CVをお洒落な乗り物に見せた。
英国で生まれたミニも、屋根を色分けした車種があった。2トーンとは異なるが、ミニの場合は屋根に英国の国旗を模した塗装を施すこともある。
2トーンカラーは、たとえ実用車として生まれたクルマであっても、色遣いを変えることでお洒落に見せたり、スポーティに見せたり、クルマの雰囲気を変えることに一役買っているようだ。
とはいえ、一台のクルマで色を塗り替えるとなると、色分けするため塗装の手が掛かるので、どうしても車両価格が高くなる傾向になる。
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