高級車から軽自動車へ! 車の2トーンカラー なぜ再流行?

 かつて高級車中心に流行った2トーンカラーが再流行! 軽自動車でも増えている理由は?

 車体を2色の塗装で塗り分ける2トーンカラーが選択肢として増えてきている。目立つのは、軽自動車での採用だ。

 もちろん、登録車でも、小型SUVの日産 キックスは、2トーンとモノトーンという内外装色の違いによる選択肢があるほかは、機能面では1グレード(装備に若干の違いもあるが、注文装備で対応している)という販売の仕方だ。

 トヨタのヤリスやヤリスクロスも、2トーンを訴求色に、モノトーンも選べる品揃えである。同じ車種でも、2トーンとモノトーンで与える印象が変わる場合もある。

文/御堀直嗣、写真/トヨタ、BMW、ホンダ、スズキ、ダイハツ、編集部

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クラウンやセドリックで設定! かつては上級車の装備だった2トーンカラー

 2トーンカラーは、色分けのため塗装に手間がかかるので、かつては高級車などで採用されることが多かった。英国のロールスロイスや、ドイツのマイバッハなどにそうした例があるし、国内ではトヨタ クラウンや日産セドリックなどでも選択肢があった。

写真は1995年発売の10代目クラウン。このようにかつてはボディの上部と下部を異なる色に塗り分ける2トーンが主流だった

 2トーンとは異なるが、米国のキャデラックなどでは、レザートップといって屋根の部分を革張りのように見せる外装がはやったこともある。2トーンにすることで、より高級であったり、優雅に見せたりできるところがある。

 そもそも、クルマが誕生し、普及する初期の段階はほとんどの車体が黒で、移動の道具といった意味合いがあっただろう。

 また当時は塗装の質も充分ではなく、有色の塗料のなかには耐久性が充分でなかったこともあるのではないか。

 そうしたなか、1940年代に売り出されたフランスの2CVは、後年、限定車が販売されるようになり、たとえばチャールストンと呼ばれる限定車は黒とエンジ色の2トーンに塗り分けられ、機能優先の実用車として生まれた2CVをお洒落な乗り物に見せた。

写真はMINIコンバーチブル。幌には英国旗をあしらう。通常の3ドアモデルでも屋根をユニオンジャックに塗り分けるモデルがある

 英国で生まれたミニも、屋根を色分けした車種があった。2トーンとは異なるが、ミニの場合は屋根に英国の国旗を模した塗装を施すこともある。

 2トーンカラーは、たとえ実用車として生まれたクルマであっても、色遣いを変えることでお洒落に見せたり、スポーティに見せたり、クルマの雰囲気を変えることに一役買っているようだ。

 とはいえ、一台のクルマで色を塗り替えるとなると、色分けするため塗装の手が掛かるので、どうしても車両価格が高くなる傾向になる。

なぜ軽自動車まで2トーンカラー広まった?

写真のN-ONEは軽自動車における2トーンカラー設定モデルのはしり。2012年発売の初代モデルから屋根とボディを塗り分けた2トーンカラーを設定

 それでも、軽自動車にまで2トーンカラーを導入できるようになった背景には、消費者の要望が高まっていると複数のメーカー広報が語っている。

 軽自動車は、本来はクルマによる移動を最低限実現する廉価な実用性が求められる。そうしたなかで、スズキのアルトやダイハツのミライースが、基本的な需要を満たしてきた。

 同時にまた、いま絶大な人気を誇るスーパーハイトワゴンのように、生活と密着しながらも、軽自動車規格のなかで最大の空間や、居住性の高さなどを好む消費者が増え、同時にまた、アルトワークスのような高性能車や、ダイハツ コペンのような遊び心を満たす車種もある。

 近年のSUV人気を受けてハスラーやタフトといった車種も追加されて、実は、軽自動車は幅広い車種の選択肢を持っている。そうした選択肢のひとつに、2トーンカラーも当てはまるのではないか。

光る創意工夫と2トーンカラーが示す可能性

 とはいえ、軽自動車では大幅な価格上昇は抑えなければならない。そこで、屋根との境界や、外板の切れ目などをうまく活用した設計を基に、2トーン化していくことで品質も満たすようにしている。

 たとえばアルトの2トーンバックドアなどは、そもそも部品として異なるのだから、色違いを組み合わせやすい斬新な発想だ。

2014年に発売された現行型アルト(グレード:Xのみ)にグレーの2トーンバックドアを設定した

 ダイハツのDラッピングは、樹脂のシートを型でつくり、あとから屋根に熱加工して密着させる手法で2トーンを実現している。そうした創意工夫が次々に生まれているのも、2トーン人気の高まりが開発者たちの意欲を高めているといえそうだ。

 2トーンがもてはやされる理由として、やはりクルマ選びは見た目が第一という点も大きいだろう。性能や機能が優れていることはもちろん重要だが、格好よくお洒落に乗りたいとの気持ちは誰もが強く持っているはずだ。

 象徴的なのが、商用軽自動車も外装色の選択肢が増えていることだ。働くクルマも、使う喜びを味わえるようにした取り組みである。

 2トーンカラーへの要望は、多くの消費者がクルマに興味を持っている証ともいえる。若者のクルマ離れといわれて久しいが、多くの消費者に関心を持ってもらう手段の一つに2トーンカラーもあるはずだ。

 個人が自由に移動する手段の一つとしてクルマの価値はあるが、持つ喜びがあるのも事実だ。どのクルマを選ぼうかと迷う選択肢が多いことは、いいことだと思う。自動車メーカーも、消費者に喜んでもらえるなら、苦労の甲斐があるのではないか。

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