■撤廃すれば税制見直し! 生活を守るために変えないという選択
軽自動車にはまた、登録車と異なる税制が実施されている。国民車構想としての発端があり、国民一人一人が生活を維持するために役立つ実用車であるなら、税制も配慮がなされるべきというわけである。しかも、軽自動車は国内専用の規格だ。世界の競合と競う場はない。
自主規制という、行政に忖度するような制度の継続が好ましいとは思わないが、軽自動車である以上、制約のなかでいかに魅力ある商品とすべきかに価値があるのであって、自由に商品企画を立て、設計できることになれば、軽自動車の意味は失われ、税制も登録車に準じることになるだろう。もしそうなれば、大都市以外の公共交通機関が整備されていない地域で人々の生活を脅かしかねない。
最高出力に対する自主規制を撤廃すべきというなら、軽自動車を含め、国内の自動車に課せられた規定をゼロから見直し、超小型モビリティに対する認可の課題も含め、税制と共にクルマの在り方をすべて見直すべきである。
それには壮大な労力が掛かるが、それほどクルマを取り巻く規制や税制、そして行政には、21世紀という時代に合わない内容が数多く含まれているのである。そこに手を付ける覚悟を持った国土交通大臣が誕生しなければ、かえって半端な部分改定に止まり、自動車業界も消費者も戸惑うだけになるだろう。
コメント
コメントの使い方