タイヤから静電気を逃がす工夫とは?
あまりイメージしにくいが、クルマは走行中では車体がホコリや煤に満ちた空気に触れているため、帯電し続けていることになる。
タイヤのゴム(ラバー)部分は本来が電気が抜けにくいが、それでもタイヤから静電気が離れていくのは、タイヤに電導性が高いカーボンブラック(炭素)が多く含まれているからで、従来では問題にならなかった。
ところが、最近では燃費向上を狙って転がり抵抗を抑え、ウェット性能を高める効果をもたらすためにラバーに配合されるようになったシリカ(ケイ素などのガラス状成分)は、電気を通しにくく、静電気の発生も防ぎにくくなった。
このためタイヤメーカーは、走行中に静電気を逃がすことができるように、カーボンブラック内のシリカの量が多いタイヤには、縦方向にカーボンの層を設けて静電気を逃がすように設計された「導電スリット」と呼ばれる構造を採用している。
具体的にはタイヤを取り巻くトレッド部分に埋め込まれたブロック内の円周方向に、地面に触れるような構造として組み込まれている。
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