最後発の日産新型ノートは先行ヤリス&フィットに勝てるのか?

最後発の日産新型ノートは先行ヤリス&フィットに勝てるのか?

 2月にトヨタヤリスとホンダフィットが、12月に日産ノートがそれぞれフルモデルチェンジとなり、2020年は、国産3大コンパクトの新モデルが勢ぞろいした年となった。2021年の、この3台の販売合戦は、いまから非常に楽しみだ。

 すでに人気車となり、波に乗っているヤリスそしてフィット。ノートはこの強敵2台から10か月遅れ、最後発となってしまったが、ここから2台に追いつき、追い越すことはできるのか。3台の長所と短所の比較をしていこうと思う。

文:吉川賢一
写真:TOYOTA、HONDA、NISSAN

【画像ギャラリー】国産コンパクトカーの覇権争い激化!! 新型ノート、ヤリス、フィットを写真でチェック!!


コンパクトカーの常識を超えた、新型ノート

 新型E13ノート最大のキーアイテムは、第2世代e-POWERだ。WLTCモード燃費は29.5km/L(市街地29.9、郊外32.6、高速27.6)と、優秀であり、そこに、新開発の次世代上級小型車向けプラットフォームを組み合わせ、さらには改良版プロパイロットを備えるなど、クラスを超えた乗り心地を実現している。

バリエーションは、上級「X(税込218万6800円)」、ミドルクラス「F(税込205万4800円)」、エントリークラス「税込S(202万9500円)」の3グレード構成。いずれもe-POWERとなる
バリエーションは、上級「X(税込218万6800円)」、ミドルクラス「F(税込205万4800円)」、エントリークラス「税込S(202万9500円)」の3グレード構成。いずれもe-POWERとなる

 またインテリアは、これまでの日産車の中で、もっとも先進的になった。メーターとナビゲーションを繋げた一体型バイザーレスディスプレイや、コンパクトな新しいシフトノブ、大型のコンソールボックス、それらを覆う表皮素材も、非常に質感が高い。

 また、オートホールド機能付のE-PKBが全車標準搭載になった。インテリアが苦手な日産のクルマとは思えない、質の高い仕上がりとなっており、日産の上級車のクオリティを抜いている。

メーターとナビゲーションを繋げた一体型バイザーレスディスプレイと、新開発された小型のシフトノブ その下に位置するのが全車標準搭載になったE-PKBだ
メーターとナビゲーションを繋げた一体型バイザーレスディスプレイと、新開発された小型のシフトノブ その下に位置するのが全車標準搭載になったE-PKBだ

 走りも秀逸だ。第1世代e-POWERとは全く違う世界観がある。走り始めてすぐに感じるのが、ゼロ発進時のなめらかさと浮遊感だ。低速走行時に聞こえる「フィーン」という電子サウンドによるもので、フィットe:HEVやヤリスハイブリッドとは異なる、独特なフィーリングがある。

 ハンドリングや乗り心地もすっきりとした印象で、全グレード最小回転半径4.9mと、取り回しも抜群に良い。路面突起との当たりの柔らかさ、といった乗り心地性能も、すこぶる改善している。

 静粛性の高さが自慢のフィット並にインパクトノイズも抑えられており、先日、日産追浜工場グランドライブで開催された試乗会では、ロードノイズは殆ど気にならなかった。また発電時のエンジンの音質も、現行ノートの「ガーガー」という芝刈り機サウンドから、「グォーン」という澄んだ印象に変わっている。

リアスタイルも新世代の日産を感じさせる纏まり感のあるデザイン
リアスタイルも新世代の日産を感じさせる纏まり感のあるデザイン

 走行性能やクルマのつくりには、弱点が見当たらない新型ノートだが、唯一心配な点は、廉価なガソリンモデルがないことだ。

 現行のE12ノートが、ガソリン車が約145万円から買えたことを考えると、大幅な価格アップとなり、新型ノートを求めるすべてのユーザーに、この価格がマッチするのか、が、新型ノートの勝負どころだ。

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