静電気の発生を防ぐには
それでは普段から身体に溜まってしまう静電気の放電を冷蔵庫や電子レンジなど家電製品で付属しているコードを使うように、どうやって「アース」するのか。
車両に乗り込む際にはドアノブに触れる前に金属製以外のものに触れる。降りる際にはシートに座った状態で金属に触れながら移動することが、静電気の放電についての一般的な対処法になる。
調べを進めると「地面に触れる」なんていうアドバイスもあるが、コロナ禍のご時世にあって、これはあまり現実的とは思えない。
ボディに一度触れてからといってもピラーに触る(ピリッとくることもあるが)ことを考えても意外に難しく、油断すると「バチッ」を喰らってしまうこともある。
金属製キーをドアノブに当てることや、キーホルダー(最近は後述するような静電気除去用製品も販売されている)を備えておくべきだろう。
それ以前の準備として静電気から身を守る工夫としては、クルマで出かける際の服装にも気を使って、天然素材の衣服を選んだほうがいい。
フリースなど化学繊維で作られた服装は帯電しやすいので避けるべきで、服の組み合わせに関しても表面がツルツルした生地の上にセーターを重ね着するなどすると摩擦が大きくなって静電気が発生しやすくなる。
それが無理であれば、衣服に静電気(帯電)防止用スプレーを施しておくことをお薦めする。ちなみに靴のゴム製ソールは静電気を逃がしてくれないのでご注意を。
もう少し深掘りしておくと、ヒトには静電気を身体に溜めやすい「帯電体質」というものもある。特に冬場は肌が粉を吹いてパリパリになるような乾燥肌の方は保湿クリームをこまめに塗ることをお薦めしたい。
頭が痛いのは、不摂生でも肌が乾くこともあるというから、体調管理まで気を配ることも必要になってくる。ドライバーとしての工夫のなかでは、クラシックかもしれないが革手袋をはめることも考えてみたい。
アクセサリーで静電気を防止する
一方、自動車メーカーもボディに貼り付けるプレートなどをアクセサリー用品として設定しており、トヨタやホンダは純正品として静電気除去プレートをカタログに載せている。
例えば、ホンダのさまざまな純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスは、ホンダ車に共通する仕様として「静電気除去プレート」を販売している。
この静電気除去プレートは、ボディコートの施工前に装着したい。運転席、助手席の両方に装着する場合は2個必要だ。
触れる時間が短いと除電しきれないことがあり、着用している衣類や体質によっては除電に必要な時間が変化することがある、といった但し書きがある。
一方、日産はサービス対応として、シートの静電気防止加工を実施している。
「室内静電気除去」はシートに表面加工を施すことで、シートと衣類の摩擦で発生する静電気を除去する。
具体的には、安全な素材で降車時の静電気を除去。1回の施工でひと冬(6ヵ月)有効。なお、革・人工皮革・ビニール・撥水シートには施工できず、降車時の静電気のみに効果があるとされている。
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