新車購入時にぜひ一読を いざ年末商戦!!! 値引き交渉の前に知っておくべき話 6選

 新車が欲しい、新車を買いたい! と思われている方、絶好の機会はもうすぐだ。12月の年末商戦はディーラー側も「ノルマを達成したい!」と売る気満々だからだ。

 買う側のユーザーとしては、その売る気満々のディーラー・セールスマンから「より高い値引き額」を引き出したいもの。

 そのための秘策・交渉術を、ディーラー取材を重ね続けるモータージャーナリスト、小林敦志氏が指南。お役立ち、必至!!

●ラインナップ
・まずは予備知識を得る!
・値引き交渉は「夜討ち朝駆け」で実行せよ!
・クリスマスをすぎると値引き交渉がスムーズに!?
・ローンの場合は月々の支払い額(低い金額)で勝負!
・「知り合いのセールスマン」は商談の大詰めで使う
・夫婦で役割分担して巧みに攻めよ!
・残価設定ローンはいいぞお!!!(番外コラム)
・残価設定ローンに気をつけろ!!!(番外コラム 2)
・欲しい人の味方??「定額サービス」の〇と×

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※本稿は2020年11月のものです
文/小林敦志、写真/TOYOTA、AdobeStock
初出:『ベストカー』 2020年12月10日号


■まずは予備知識を得る! 値引きの種類&値引きには「カラクリ」がある!!!

 新車の値引きには車両本体価格だけではなく、オプションからの値引き、下取り車の査定額の上乗せ、ローン会社からの支援など、いくつかの“財布”から出たものが合算されて「値引きが30万円です」となるのが原則。

 車両本体価格からの値引き原資はディーラー利益分となり、オプションからは総額の20%程度を目安で値引きが可能。本来はそのモデルの状況を見て値踏みする下取り査定額だが、値引き不足分を上乗せするのも当たり前となっている。

 さらにローンを組むと、仲介するディーラーに提携信販会社からバックマージンが払われるので、その一部が値引きとして還元されている。

●「50万円値引き」には裏がある??

 セールスマンは、値引き額を実体よりも膨らませて見せる“技”〟を持っている。例えば「(低年式車の)下取りも含めて50万円引きましょう」と、破格とも思える値引き額を提示した場合。

 下取り査定額及び、それへの上乗せでかなり調整されていることが多く、車両本体値引きやオプション値引きは、まだ拡大余力があるのに契約へ持ち込まれてしまうこともあるのだ。

 ショック療法のように、いきなり高額値引き額を提示された時には、値引きを膨らませていると考えていいだろう。

 下取り車の存在が値引きを大きく左右するので、商談前に愛車を買い取り店に持ち込むなどして、中古車相場を把握しておくのも大切である。

●値引きの種類とそのポイント
・車両本体価格からの値引き。
・オプションからの値引き。
・下取り車の査定額の上乗せ。
・ローン会社からの支援(提携しているのでバックマージンを受け取れる)。
・高額値引き額の提示の裏には、実は「出し渋り」もある。

敵(?)を知り、己を知って最良の値引きを勝ち取るべし!

■より高い値引き引き出し術・その1『値引き交渉は「夜討ち朝駆け」で実行せよ』

 値引きを引き出しやすいタイミングというものがある。まず日程は、やはり土曜・日曜の週末がより望ましい。1週間のなかで土曜・日曜の2日間での受注目標台数が設定されており、ノルマ達成のため値引きが拡大しやすい環境にあるのは間違いない。

 そして、時間帯については“夜討ち朝駆け”を心がけてもらいたい。新車販売業界は“縁起を担ぐ”傾向が目立ち、開店時間の直後、つまりその日に初めて接触する、しかもフリーの来店客から受注をもらい、その日の営業に弾みをつけようとするセールスマンもいるので、好条件が出やすい。

 そもそも、朝一番に店にきているのだから、“買う気満々”と判断されるのである。

●「日曜の午後3時」が吉!

 また、「日曜の午後遅め」というのも狙い目。

 昨今、週末ノルマが達成できないケースも多く、頭を抱えているところへ、フラッと新車購入希望客が店を訪れれば、店長が積極的に商談に同席するなど、ノルマ達成の1台として店側は積極果敢になる。

 そうなると、速攻で値引きが拡大していくので、労せずして好条件を獲得することが可能なのである。

 最近は閉店時間が早いので午後3時ぐらいの訪店がベストと言えるだろう。

土・日、開店直後、日曜の午後3時を狙うべし!

■より高い値引き引き出し術・その2『クリスマスをすぎると値引き交渉がスムーズに!?』

 年末セールは12月中旬で事実上終了。

 年間販売目標台数達成のために、少しでも可能性のあるお客すべてにアタックし、可能な限り受注しているので、年末セール後は販売促進のためにアタックできる購入見込み客がほぼない状態。そのまま年末・年始休みに突入することになる。

 そんななか、クリスマスすぎから仕事納めの12月末までに新車購入のために店を訪れれば、ディーラーでは“下にも置かぬもてなし”で迎えてもらえるはず。

 しかも、年内に受注まで持ち込み、1月の実績として確保し、安心して年末・年始休みに入りたいので、短時間で大幅値引きが引き出しやすいのである。

 現状政府は今回の年末・年始に最長17日間の分散休暇を要請しているので、年明け、1月の販売活動はまともにできずに終了する可能性が高い。ゆえに、今年の年末は狙い目になっているといえよう。

クリスマスのあとが勝負! 思わぬ値引き額にサンタもうほほいである

■より高い値引き引き出し術・その3『ローンの場合は月々の支払い額(低い金額)で勝負!』

 残価設定ローン(番外コラム参照)の普及で日本でも、ローンを利用しての新車購入が急速に増えてきている。現金一括払いの時は支払い総額ベースで値引き交渉を行うことになるが、ローンの場合は月々の支払い額ベースで商談を進めるのが値引き拡大の早道。

 最近の新モデルのなかには、現金一括払いだと割高なイメージがしても、残価設定ローンを組むとプランによっては意外なほど買い得感が目立つことが多い。残価率も含め、ローンで割安イメージが出るような価格設定をしているようだ。

●ローンは「無理めな金額」を

 ローンの場合の値引き交渉は、例えば「月々3万円ならば……」と攻めるのが賢い交渉術となる。セールスマンが最初に提示する支払いプランを見て、相手に少し無理だろうと思わせる月々の支払い額を要求すれば、あとはセールスマンがその条件になるように、値引きを拡大するなどで希望をクリア、もしくは限りなく近い条件を提示してくるからだ。そうなると値引き交渉は時間もかからずにすむ。

 また、ローンを使い慣れている人は「今までと同じ条件なら新車にするよ」とだけ伝えて、好条件を獲得するというケースも珍しくなくなっている。「ローンの時は、全権委譲されるカタチで値引き調整できるのでやりやすい」と語るセールスマンも多い。しかも、最近はローン利用のほうが得する特典が多く用意されるケースも目立ってきているのだ。

ローンでの購入、大きな買い物がクルマだけとは限らない。先々のことも考えて月々の支払額は慎重に決めるべし。まずセールスマンへ、かなり低いローン金額を希望することが、結果的に値引きにつながることも

■より高い値引き引き出し術・その4 『「知り合いのセールスマン」は商談の大詰めで使う』

 商談の初期段階から知り合いのセールスマンを頼るのはNG。前述したが、セールスマンは値引きを実態より膨らませて見せる“技”を持っている。つまり、まだ値引きできる余力を持っているのに、それを出さない、ということ。

 だから、お客とよほどの近親関係でない限りは値引きを膨らませて見せて、そのまま受注に持ち込むのが一般的なパターン。職場の上司や先輩からの紹介では、お客が納得できない値引きでも断ることができずに、そのまま契約してしまうケースもよくある話。

 ゆえに、知り合いのセールスマンには商談の大詰めで登場してもらうことが大切。

 フリー客として今まで入ったことがないディーラーを訪れ、交渉の末、自分だけである程度値引き条件を引き出したあとに、「実は新車の購入を検討しているのですが……」と知り合いのセールスマンに相談する。

 そうすれば、その知り合いのセールスマンは、その値引き額以上を提示するしかない、ということだ。

「この値引き額、どう?」と知り合いセールスマンには最後に聞いてみる

■より高い値引き引き出し術・その5『夫婦で役割分担して巧みに攻めよ!』

 多くの夫婦の場合、ご主人はすでに“新車に乗れる”とワクワクモードで、多少予算をオーバーしてもクルマが気に入れば購入する勢い。が、奥さんは家計の財布をガッチリ管理していることもあり、そうはいかない。

 さらにクルマへの愛着もそれほどではなく、“予算に収まっていればいい”という傾向も。目的のミニバンではなく、店頭展示のほかの特価表示のミニバンを見て、「これでいい」と奥さん主導で決めたケースもあるほど。

●“飴とムチ”作戦で挑む

 その夫婦のベクトルの違いをうまく使い、夫婦コンビで攻めることをススメたい。奥さんがひたすら予算に収まるように値引き交渉を進めるなか、ご主人は「ここまで(値引きアップなど)してくれたら、俺も積極的に女房を説得してみるよ」という、まさに“飴とムチ”作戦。

 加えて、「子どもはB車(ライバル)のほうを気に入っているけど、値引きがいまひとつで……」と、ダメ押しするのも値引きアップに有効である。

夫婦の絶妙タッグで値引きを引き出すべし

■より高い値引き引き出し術・その6『セールスマン、タイプ別値引き引き出し術』

 新人男性セールスマンについては、世代的に“リアル”で人と接するのは苦手であり、駆け引きしても理解してくれないので、「この値引き条件なら契約してもいいけど、上司に聞いてみて」と伝えて進めるのが有効。

 お願いすればテキパキ動くという傾向もあるので、上司を早い段階から同席させれば大幅値引きを引き出せるチャンスが広がる。

 女性セールスマンはベテラン男性並みに手慣れたタイプが多いので、女性だからといって軽んじて対応しないこと。ゲーム的に値引きアップを迫るのではなく、“なぜそこまで値引きが必要なのか”など、客観的な理由で攻めるといいかもしれない。

 ベテランセールスマンの場合は、自分が売った既納客などへの代替え促進が営業のメインとなるので、コテコテの値引き交渉は苦手というか好まない傾向にある。

 値引きを膨らませて見せてくることが多いので、まずこれに注意しながら、「これはオプション値引きも含んでいるの?」などと、なめられないように時々攻めるのがいいだろう。

男性・女性、新人・ベテランに限らず、「どんな相手か」を見極めながらコトにあたるべし!

●最後におさらい高額値引きを引き出すポイントをもう一度復習!
1. 「値引き」は車両本体だけでなく、オプション、下取り車の査定額の上乗せなどがあることを認識しよう
2. 週末の開店直後か、日曜日の15時くらいにディーラーへ行くべし
3. 値引き拡大の好機は、クリスマスすぎから12月末まで!
4. ローンの場合は、月々の支払いをなるべく低い額でぶつける
5. 奥様を「予算内におさめる役」に徹してもらい、夫婦で攻める
6. 新人男性セールスマンを巧みに活用し、大幅値引きをゲット!


【番外コラム その1】ローン・マジックでラクラク新車購入!!

 今やディーラーローンの主流は残価設定ローンとなっている。3年や5年後などの残価を設定し、その残価を支払い最終回に据え置くことで、月々の支払い負担を軽減するもので、もともとは“リース型ローン”とも呼ばれていた。

 この残価設定ローンの普及でローンの利用が増え、今では欧米などのように、月々の支払い額を電気代や水道代などのような感覚で生活費の一部と考える人も増えている。そして「月々の支払い額が大きく変化しなければ新車に換えてもいい」として、短期間で新車に乗り換えるユーザーも増えている。

 また、残価設定ローンは残価率がやや低めなのが一般的なので、完済前に下取り査定額で残債を相殺するのが半ば当たり前に。“お釣り”が残るケースもあり、次の新車購入予算へまわすことも可能となっているのである。

●残価設定ローンのメリット
・今主流の「残価設定ローン」は月々支払いの金額がかなり低い
・電気代などの感覚で、生活費の一部として支払える
・完済前に“お釣り”が残るケースもあり、次の新車購入予算へまわすことも可能

→が、しかし! 注意したい部分もあるのです!(その2へ)

【番外コラム その2】残価設定ローン、ここに気をつけろ!!

 支払い負担が軽減され、普及が進む「残価設定ローン」。右ページ下ではいい部分を紹介したが、いい事ばかりではないことも事実。ここではその注意点について取り上げる。

●残価率の落とし穴

 残価率が高ければ高いほど、月々の支払い負担が軽減されるのだが、現状、多くのメーカーで、一部の人気車種を除き、40%前後となっている。月々の支払い負担が軽くなるということは、払い続けても残債がなかなか減らないということ。全損事故を起こすなど、不測の事態により支払い途中で残債整理をしたくても残債が多すぎて身動きがとれないことにもなりかねない。

 また、設定される残価率は各メーカー系信販会社が決めるので、他メーカー系ディーラーでは通用しないことも。好むと好まざるとにかかわらず同じメーカーのクルマに乗り続けなければならないということにもなりかねない。

●魔法の言葉「借り換え」

 ローンの支払い途中に新車へ代替えするため、新車のローン元金に下取り車の残債分を加算してローンを組むことを“借り換え”と呼んでいる。これは日本では長い間、原則“禁じ手”とされていた。

 しかし、各メーカーで残価設定ローンが充実し、支払い途中での新車への代替えが頻繁に行われるようになると、いつの間にか借り換えがOKの風潮に……。

「メーカー系信販会社で、試しに借り換えプランで審査にかけたらスンナリ通ってしまいました」とは現役セールスマン。借り換えしても月々の支払い負担が大きく増えるわけではないが、逆に残債は増えるばかり。かなりリスクが高くなるのである。

●大きな事故には注意!

 返済途中で、全損などの大きな事故を起こしたら……。特に返済開始からそれほど経たない場合、残債が多すぎて残債整理ができず、最悪の場合、解体処理はできたが、廃車手続きができず、ナンバープレートだけが残り、ローンの返済を続けることだってある。

 そのため、身動きがとれるように販売現場では車両保険への加入をすすめている。特約も充実しているので、残価設定ローン利用時には車両保険にぜひ加入してほしい。

魅力的な借り換えだが! 新車(新モデル)への借り換え、残債は大丈夫!?

【番外コラム その3】欲しい人の味方??「定額サービス」の〇と×

“クルマは買うもの”という認識が強く、カーリースは普及しなかった歴史があるが、今「定額サービス」として注目。その〇と×とは……。

●「定額サービス」「サブスクリプション」の○なトコロ

 任意保険料も含まれるので、任意保険料の高い若い世代にとっては新車を購入するよりはお得感がある。また、定額サービスは“個人向けカーリース”となるので、自営業の人などには経費として計上できるメリットもある。

●「定額サービス」「サブスクリプション」の×なトコロ

 定額サービスはリース会社所有のクルマを“借りて乗る”ことになるので、自分のクルマにはならない。また、例えば「KINTO」を使ってライズに乗るとしても月々4万円台の支払い。お得感があるとはいえ、若者が月々払い続けられるのか……というのが気になる部分ではある。

トヨタの「KINTO」

【画像ギャラリー】なるべく安く新車がほしい!!! 9枚の画像でプロ直伝の「値引き引き出し術」をクイックチェック!!!

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