【検証】新型BRZにターボ追加はあり得るか? 新エンジンで走りはどう変わる??

【検証】新型BRZにターボ追加はあり得るか? 新エンジンで走りはどう変わる??

 ついに新型BRZが先行公開された。すでにトヨタの86、スバルのBRZともに現行モデルは生産終了となっていただけに、ファンにとっては嬉しいニュース。

 燃費規制の強化への対応という至上命題はあるものの、今後の進展に大きな期待が寄せられている。

 さて、発表された新型BRZの内容でとりわけ話題となっているのが新エンジンの搭載だ。従来の2L水平対向エンジンから排気量を拡大した2.4Lエンジンが搭載されることが明らかとなった。

 果たして、この「0.4Lの余裕」が走りにどう変化をもたらすのか? さらにBRZといえば従来からターボエンジン搭載車の登場が噂されてきたが、新型にターボ搭載の可能性はあるのか? 技術的に見た実現可能性を中心に占っていきたい。

文/鈴木直也、写真/SUBARU、TOYOTA

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現行86/BRZはエンジンが気難しい?

2020年11月18日に北米にて公開された新型BRZ
2020年11月18日に北米にて公開された新型BRZ

 新型レヴォーグの日本カーオブザイヤー受賞で意気あがるスバルだが、ほぼ同時に北米で新型BRZを公開。現行モデルをより筋肉質に鍛え上げたスタイリングとともに、2・4Lに排気量アップされたエンジンによるパフォーマンス向上が話題になっている。

 従来型BRZ(とトヨタ86)に乗って感じるのは、まずシャシー性能が軽快で素直なことだ。水平対向エンジンを中核とするパッケージングは、低重心でかつヨーモーメントも小さい。

 操舵レスポンスは取り立ててシャープというわけではないが、切れば切っただけ、早く切ればそのぶん早く、クルマの反応がつねに遅滞なくリニアなところに感銘を受ける。

 ただし、そこからさらに一歩踏み込もうとすると、BRZ(とトヨタ86)は意外に手強い。後輪駆動のFRだからアクセルワークによって後輪をブレークさせることは可能だが、ドライ路面でコントロールが容易なのは2速の守備範囲あたりまで。

2L水平対向エンジンを搭載していた従来型BRZ。操るには高いスキルが必要ながら、よりトルクフルな新型はあらゆるドライバーにとっての扱いやすさが向上しそうだ
2L水平対向エンジンを搭載していた従来型BRZ。操るには高いスキルが必要ながら、よりトルクフルな新型はあらゆるドライバーにとっての扱いやすさが向上しそうだ

 それ以上の速度レンジになると最大トルク200Nmちょいではパンチ不足で、綺麗に滑らせるためにはタイヤのグリップ限界を維持する「速度」と「テクニック」が必須となる。

 初期に標準タイヤだったミシュラン・プライマシーHPですらそうなのだから、オプションのミシュラン・パイロットスポーツだとさらにグリップが優ってオンザレール。ビシッとカウンターステアを決めてドリフト走行というイメージでサーキットを攻めると、現実とのギャップを思い知ることになる。

 86/BRZワンメイクレースで優勝経験のある友人に聞くと、「このクルマはタイムを出すのも難しいですよ」という。40年近く前のAE86はすべての事象が低次元で起きたからイージーコントロールだったけれど、BRZ(とトヨタ86)の限界はエコタイヤでも思った以上に高く、しかもスイートスポットが狭いのだ。

 この辺が、ゆっくり走っていてもそれなりに楽しく、攻めれば攻めたなりに達成感のあるロードスターと大いに違うところで、86/BRZはむしろアスリート向けのストイックなクルマじゃないか? ぼくは密かにそう感じていたのだった。

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