気分はフェラーリ! オートザムAZ-1現役オーナーが語る生証言と中古車事情

2020年現在、普通に走れる状態なのか?

気分はフェラーリ! 現役オートザムAZ-1オーナーの生証言と中古車事情
オーナーによると、きちんとメンテナンスをしていれば2020年現在も普通に走らせることができるという
キャビン後方に搭載されるエンジンはスズキ製F6A型3気筒DOHCターボで64ps/8.7kgmを発生。エンジンは基本的にはカプチーノと共通だがオールステンレス製の排気系、アルミパイプの吸気系はAZ-1専用で、エンジン特性はAZ-1のほうが高回転型、カプチーノは低中速を重視している
キャビン後方に搭載されるエンジンはスズキ製F6A型3気筒DOHCターボで64ps/8.7kgmを発生。エンジンは基本的にはカプチーノと共通だがオールステンレス製の排気系、アルミパイプの吸気系はAZ-1専用で、エンジン特性はAZ-1のほうが高回転型、カプチーノは低中速を重視している

 で、そんなAZ-1に関しては「そもそも今、普通に走れる状態なのか?」というのがまずは気になるわけだが、この疑問についての現役オーナー各氏におおむね共通する回答は、「年式なりの整備を行う必要はあるが、それさえやっていればまだ普通に使える」というニュアンスであった。

 具体的な回答をオーナーさんからいただいたので以下、紹介していこう。

 「25年以上前のクルマであることさえ認識していれば、普通に走らせることができます。ただし努力や工夫は必要ですが。(2台目のAZ-1にお乗りの酒井義信さん。現在の走行距離は14万km)」

 「メンテナンスをしていれば普通に走ります。実際にAZ-1で日本一周しましたし。(AZ-1を2台と、OEM版のスズキキャラの1台をお持ちのイーヨー先輩!さん)」

 「予防整備として早目のメンテナンスはしているつもりなので、近場のドライブから往復1000kmを超える遠征まで、問題なく使用しています。(3台お持ちのくぼっち。さん)

 ただ、くぼっち。さんいわく「最近のライト位置が高いクルマばかりの交通社会のなかでは、車高の低いAZ-1では辛いことも多々あります」とのこと。

AZ-1で通勤するというオーナーも

1万回転まで刻まれた大型のタコメーターが収まる。コクピットは非常にタイトだ。現役オーナーのなかには、AZ-1に乗って毎日通勤するという猛者もいた
1万回転まで刻まれた大型のタコメーターが収まる。コクピットは非常にタイトだ。現役オーナーのなかには、AZ-1に乗って毎日通勤するという猛者もいた
シートはフルバケッとタイプでシートスライドのみ可能。シート後方には収納スペースがある。タイトだが足元には余裕があり、肩のあたりにも圧迫感はない
シートはフルバケッとタイプでシートスライドのみ可能。シート後方には収納スペースがある。タイトだが足元には余裕があり、肩のあたりにも圧迫感はない

 そして「AZ-1で通勤する」という猛者もいる。「毎日往復35kmの通勤に使ってます。(雪の日も)。(Chibimal SVさん。現在の走行距離は13.6万km)」

 もちろんこれらは「ちゃんと(早めの)整備を行っているから」ゆえの結果であり、放ったらかしにされた個体は、さすがにこうはいかないはずだ。

 また経年ゆえ部品が寿命を迎えるのは当然で、「フロントウインドウとドアのモールはすぐ縮むので、今までに3回は交換してます。ドアダンパーもヘタるので、3回交換しました。(新車から27年間乗っているまるさん)」ということもある。

 だがいずれにせよ結論としては、「普通にメンテナンスをすれば、まだまだ普通に乗れる」というのがオートザム AZ-1の2020年的な真実であるようだ。

日頃のメンテナンスで気を付けるべきことは?

スケルトンモノコックの重量は約150kg。プラスチック製の外板パネルが30kg。車両重量は720kgと、超軽量なのも納得できる
スケルトンモノコックの重量は約150kg。プラスチック製の外板パネルが30kg。車両重量は720kgと、超軽量なのも納得できる

 では、主にどのあたりに注意しながら点検および整備をすればよいのか? これまた具体的な回答を紹介していこう。

 「故障は基本的にゴム類の劣化や、エンジンカムカバー(エキマニ側)のオイル漏れです。その都度しっかりメンテナンスしてあげれば、完全な故障には至らない可能性が高いです。(前出・酒井義信さん)」

 「経年劣化による部品の傷みなどはありますが、特有の故障とかはあまりないと思います。些細なトラブルは、ネットなどに対処法が出ています。(アナホル ガトーさん。走行距離24.3万km)」

 「故障の経験は特になし。故障というより、経年劣化の修復に追われる感じ。(れっちゃーさん。走行19万km)」

 要するにアタリの個体=熱心に点検整備されてきた個体であれば、「古い車として当然のさまざまな劣化に対処する」というニュアンスで維持できる模様なのだ。

 ただし、「購入して3ヵ月後にエアコン死亡。全交換で約20万円。20年モノですからまあ壊れますよね。その2年後にタービンブロー。エンジン載せ換え40万円ほど。まあ年ですから。(あきびさん。2013年に11.6万kmの個体を購入し、現在は16万km)」というケースもある。

 またこのほかにも「エンジン3機交換。ドアダンパー3回交換。エアコン2回修理。(Naoさん。2000年に購入し、現在の走行距離は14万km)」という声もあった。

 とはいえNaoさんもAZ-1というクルマを大いに気に入っており、「エアコンはすでに機能していませんが、そんなものだと割り切ってます!(たばとらさん。走行9.3万km)」という考え方というか対処法もある。「愛」と「少々の予算」さえあればクリアできる問題だと言えよう。

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