マツダディーラーの5チャンネル化によって生まれたオートザムから1992年に発売された、オートザムAZ-1。軽自動車唯一のガルウイングドアと、強化プラスチックを多用した軽量ボディで喝采を浴びた。
そして1995年に生産終了となってから25年が経過したわけだが、今でも時折、一般道で元気に走っている姿を見かけることがあり、大手中古車情報サイトにも、それなりの数のAZ-1が掲載されている。
はたして、あの「得も言われぬ軽スポーツ」は今、ごく普通に乗ることができるのだろうか?
そして、もしも特徴的なガルウイングドアが壊れてしまったり、もらい事故などで、これまた特徴的なパネル類を損傷してしまった場合、今でも修理することは可能なのだろうか? 中古車事情に詳しい伊達軍曹が徹底解説する。
文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部 マツダ
【画像ギャラリー】誕生から25年! 現役オーナーが愛するオートザムAZ-1を写真でチェック!
AZ-1オーナー17名と連絡をとり実態調査!
あまりにも有名な軽スポーツではあるが、実はAZ-1に関しては「知らないことだらけ」であることに気づいた筆者は、2020年も今なおオートザムAZ-1をディープに愛好しているオーナーグループのうち17名と連絡を取り、主にメンテナンスに関する「2020年の真実」を教えていただくことにした。
現役オーナー各位に教えていただいた内容を発表する前に、まずはオートザムAZ-1というクルマ自体について簡単におさらいしておこう。
オートザムAZ-1は、1989年の第28回東京モーターショーに参考出品されたコンセプトモデル「AZ550 Sports」をベースに、1992年10月に市販バージョンが発売されたミドシップレイアウトの軽スポーツ。
軽自動車唯一のガルウイングドアを採用するとともに、外装パネルには軽量な強化プラスチックを多用。車両重量はわずか720kgだった。
搭載エンジンはF6A型3気筒DOHCターボで、キャビン後方に搭載されたそれは64psの最高出力と8.7kgmの最大トルクを発生。
トランスミッションは5MTのみで、ロック・トゥ・ロックわずか2.2回転というクイックなステアリングと機敏な操縦性、そして前述の軽量ボディにより「究極のハンドリングマシン」とも評された。
特殊なジャンルのクルマゆえ総生産台数は4409台にとどまったが、それでも一部のコアなファンに熱烈に愛されながら、1995年9月まで販売が続けられた。
2020年12月中旬現在、オートザムAZ-1の中古車価格は、大手中古車情報サイトでは、16台が流通しており、価格帯は158.8万~349万円、平均価格は約220万円。最高価格の349万円のAZ-1は走行2.1万km、次に高い298万円は2.4万kmとなっている。
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