人気車「ヴェルファイア」は車種整理の波に生き残れるのか? それとも??

■続々と消えていく兄弟車たち

 トヨタはすでに「国内での(2017年時点で約60車種あった)トヨタ車の扱い車種を2025年までに半分の30車種に削減する」という方針を明らかにしている。この車種削減策の代表格は、兄弟車の統合だ。

 この「兄弟車種を統合して車種数を減らす」という内容について、トヨタ自動車が正式に表明したわけではないが、販売店筋ではいろいろな情報が先行していた。

2020年9月、(OEM供給元であるダイハツ・トールのマイナーチェンジを受けて)トヨタのルーミーがマイチェンを実施。それに合わせて兄弟車であったタンクが販売を終了した。トヨタの車種削減の一環といわれる
2020年9月、(OEM供給元であるダイハツ・トールのマイナーチェンジを受けて)トヨタのルーミーがマイチェンを実施。それに合わせて兄弟車であったタンクが販売を終了した。トヨタの車種削減の一環といわれる

 アルファード/ヴェルファイアの場合、もともとアルファードが先に発売され、数年後に派生モデルとしてヴェルファイアが投入された経緯があるから、トヨタのスタンスとしてはアルファードに統合するのが自然な流れとなる。そこにマイナーチェンジでのデザインの実質的な入れ替えで両モデルの販売実績が逆転し、トヨタ車全店併売が両モデルの格差拡大を加速させることにつながった。

 最近はその格差をさらに広げる事象も生じている。

 多くのディーラー店舗では試乗車を配置して来店者にハンドルを握らせる、あるいは商品説明用のデモカーに使ったりしている。

 アルファード/ヴェルファイアの場合、アルファードは多くの店舗に用意されているが、ヴェルファイアは置いてない店舗が目に付くようになった。カタログは用意しているが、展示車も試乗車もヴェルファイアはなく、現物チェックを希望するユーザーにはアルファードで説明するケースが多くなっているのである。

個々の店舗で試乗車を持つのではなく、近隣のディーラーで融通し合うことが増えたが、それでもヴェルファイアの試乗車は減少気味にあるという
個々の店舗で試乗車を持つのではなく、近隣のディーラーで融通し合うことが増えたが、それでもヴェルファイアの試乗車は減少気味にあるという

 このうえさらに、値引き条件にも差が出てきた。

 車両本体にナビ、ETC、ドライブレコーダー、ボディコーティングなど50万円程度のオプション&付属品をつける際の商談条件は、アルファードで35万円以上値引きで購入できるが、ヴェルファイアだと30万円程度に引き締まるケースが多い。

 同じ店舗でもこうした差が生じるのはなぜか。アルファードのほうが売りやすいので、好条件を出す傾向が強くなるといった事情があるようだ。

 最近の両モデルの人気差が、リセールバリューの格差にまで顕在化していることにも注目したい。両モデルの売れ筋グレードに50万円程度のオプション&付属品をつけて購入し、5年程度乗って手放す場合の査定額ないしは下取り額で、アルファードのほうが10万~20万円ほどリセールバリューが高くなっているのである。

 購入する時に安く買えて、手放す時に高く売れるのであるから、多くのユーザーは当然のようにヴェルファイアを敬遠し、アルファードを選ぶようになっている。

 この傾向は、今後一段と強まるのが必至の情勢だ。

 こうしたことから、もしかしたら2022年末の世代交代(フルモデルチェンジ)を待たずにヴェルファイアはモデル廃止になる可能性がある。今後取材を続けて、新情報が入ったらすぐにお知らせしたい。

■証言「クラウンからアルファードへ」首都圏トヨペット店営業担当者

 アルファードは2017年末のマイナーチェンジでフロントマスクを押し出しの強い個性的なデザインを採用してから、ヴェルファイアよりも売れ行きがよくなった。逆にヴェルファイアは以前のアルファードのようにおとなしめのマスクにしたことで、売れ行き不振となっている。同じ店舗で両モデルを扱うようになってから、余計にアルファードに集中する傾向が強くなっている。法人の役員が運転手付きで乗る場合、以前はクラウンだったのが、最近はアルファードになっている。若者向けのヴェルファイアでは法人向けは似合わない。こうしたことも両モデルの販売格差が生じる要因となっている。

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