あと10年しか新車でMTは買えない!
ところが今やマニュアルミッションは絶滅危惧種になろうとしている。なぜか? 厳しいCAFE(企業平均燃費)をクリアしようとすれば電動化しなければならないからだ。
燃費を考えるとマニュアルミッションと組み合わせられるマイルドハイブリッドじゃなく、モーターパワーで発進するようなフルハイブリッドがマストになってしまう。
そもそも人間がエンジン回転数を操作するようなシステムでは燃費など追求できない。常に最適な回転数を使って走らないとダメなのである。
総合して考えると、2030年に施行されるCAFE 2030時点でマニュアルは生き残れないだろう。最大限、あと10年しか新車でマニュアルミッションを買うことは出来ないということです。「どうしても無理か?」と聞かれたら答えは簡単。
「絶対無理!」。100歩譲りCAFE 2030のクリアだけであれば、電気自動車をフルラインナップしているようなメーカーなら可能。
あり得ないけれど、テスラがトヨタからGRヤリスの生産ラインを譲り受け、テスラブランドで販売するのならOK。でもそんなことありえないでしょう。
マニュアルミッション車に乗りたいクルマ好きは、今のうちに買って置くことをすすめておく。私の予想だけれど、新設計のマニュアルミッションはGRヤリスに搭載されている6速が世界で最後になると考えている。
今からマニュアルミッションを新設計したって使い道ありませんから。作っても大赤字になってしまうこと確実なので作らない。
MTで最後の新車は次期フェアレディZかタイプR?
新型車として最後になりそうなのは、開発中止にならず市販に辿り着いたとすれば、次期型フェアレディZか次期型シビックタイプR、次期型WRX STIになると思う。
少なくともフェアレディZとタイプRはマニュアルミッション仕様があるという話を聞く(WRX STIはB4と合体してATだけになるかもしれません)。
新車を買う予算がないという場合、今のうちにマニュアルミッションの中古車に乗っておくのも良い。
中古車の売り物を多数掲載しているカーセンサーやGOOでマニュアルミッション車を検索すると、1月5日時点で商用車を除き2万2千台のマニュアルミッション車がヒットする。必ずや予算内で届く魅力的なクルマに出会えることだろう。
参考までに書いておくとカーボンフリーが当たり前になる30年後の2050年には、おそらく「ガソリン」を販売していない。
いや、ガソリンは売っているかもしれないけれど、藻や植物などから人工的に精製した”ガソリンのような燃料”か、どこからで二酸化炭素を吸収する分のコストが上乗せされた高い高いガソリンになってしまう。
どのくらいの価格になるか不明ながら、今の5倍以上になることは間違いない。とはいえガソリンエンジンを搭載するマニュアルミッション車に乗れなくなってしまうことはないと思う。ヒストリックカーとしてイベントや休日に楽しむのなら問題なし。
今でも30年前のNS-XやGT-Rが元気に走っている。30年後もGRヤリスを楽しむことはできると思う。
コメント
コメントの使い方