雪道を走行する際に気を付けなければいけないこと
■スタッドレスタイヤを履かずに雪道を走ったら道交法違反!?
この時期になると思い出すのが関東地方に降った大雪。最近では2018年1月22日に都心でも20cmを超える大雪が降った。また同年2月には北陸地方でも大雪が記録され、その時は福井県にて道路上で取り残された人たちを救出するために自衛隊の出動要請も記憶に新しいだろう。
特に関東地方の大雪では夏タイヤを履いたままのクルマが立ち往生を起こして極度の渋滞や事故を引き起こした原因とされている。
というわけで、夏タイヤを装着したままで雪道を運転すると『公安委員会厳守事項違反』に該当し、反則金6000円(普通車)の罰則があるのだ。
詳しく挙げると道路交通法第七十一条(運転者の厳守事項)の六項にて、“……中略、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項”とある。
よって、各都道府県の公安委員会による道路細則でスタッドレスタイヤの装着やタイヤチェーン等滑り止めの措置をしなければいけないことが定められているのだ(※沖縄県は除く)。
積もらないだろうという安易な考えで、サマータイヤを履いたまま走るのは金輪際やめましょう!
なお、国土交通省では2018年12月14日に「道路標識、区画線および道路標識に関する命令の一部を改正する命令の公布について~チェーン規制に関する改正~」が公布・施行されたのだが、それによると、タイヤチェーンを取り付けていない車両の通行止め規制標識等の新設などが施行されている。
スタッドレスタイヤでもチェーンを装着してなければ規制区間を通行することはできなくなるので、該当する場所を走る際はチェーンの装備が必要になるので注意してほしい。
■雪道では4WDだからといって過信してはいけない
雪道をフルタイム4WDでスタッドレスタイヤを履いていると、ドライ路面と変わらないような安定感が伝わってきて、「4WDを購入して良かった」と再認識することもある。
しかし気を付けてほしいのは、4WDはトラクション性能には優れていても、制動力はFFやFRなどの2WDと基本的には同じ。状況によっては2WDより劣る場合もあるのだ。全体的に4WDは車重が重めとなるので、制動距離では2WDよりも長くなってしまうことも多い。
コーナリングに関しても4WDは安定性を感じ取れるから、限界が高いと思いがちだが、ステアリングを切りながらアクセルを踏むとタイヤのグリップが不足してアンダーステアになることも。
舵角に大して旋回モーメントが立ち上がらないとESC(横滑り防止装置)が作動してくれることもあるが、雪道や凍結路ではそんな電子デバイスもお手上げなので、慎重に走ることを心がけたい。
■下り坂でのブレーキの使い方に注意
下り坂ではDレンジからシフトダウンして、エンジンブレーキを使うことでマイルドに減速させて車体を安定させようとするドライバーも多いが、FFでこれをするとフロントタイヤにのみ制動力が発生して、リアタイヤが流れ出すきっかけになってしまうこともある。
特に下りのコーナーでは入り口や曲がりながらエンジンブレーキを使うと、リアタイヤが滑ってオーバーステアからスピンモードに入ってしまうことも。スタッドレスタイヤを履いたら、Dレンジのままフットブレーキを丁寧に使って走るほうが安全だ。
■排気ガスの室内への進入注意
冬は空気が乾燥しているので、エアコンを使わずヒーターだけで燃費をセーブしながら走らせているドライバーも多い。
晴天時ならこれも問題ないが、雨天や降雪時、厳寒時には曇ってしまうこともあり、一度曇るとなかなか解消されない場合もある。降雪時には安全のためにエアコンを使用してフロントウインドウの曇りを予防するようにしよう。
走行中ではなく、渋滞時など停車中の車内で待機している状況で、エンジンをアイドリングさせて暖房をかけているような状態では、排気ガスの室内侵入にも注意したい。
雪により周辺との風通しが悪くなっている状態やマフラー出口付近が雪に遮られているなど、排気ガスがクルマ周辺に溜まりやすくなっていると、車内に排気ガスが入りやすく一酸化中毒を起こす危険もある。
空調を外気導入にしているから、と安心せず新鮮な外気を導入できているように、窓を時々開けるなど換気にも気を配りたい。
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