ヤリスで検証! 純ガソリン車とHVの価格差は年間の燃料コストで取り戻せるのか?

ヤリスで検証! 純ガソリン車とHVの価格差は年間の燃料コストで取り戻せるのか?

 東京都が2030年、政府が2035年に純ガソリン車の新車販売禁止の方針を打ち出しているのはご存じの通り。

 純ガソリン車とは、ハイブリッドを含まないエンジンだけで走るクルマのことで、日本自動車販売協会連合会が出している乗用車の2020年12月の燃料別新車販売台数データを見ると、ガソリン車の比率はガソリン車が53.4%、HVが37.0%、PHVが2.7%、ディーゼル車が7.2%、EVが0.9%、FCVが0.1%。

 まだ、純ガソリン車の新車販売は50%を超えており、HVでも37.0%、EVでは0.9%という状況だ。これを見て、あと10年で純ガソリン車の新車販売が禁止できるのか、甚だ疑問だと、感じている人も多いのではなかろうか。

 そこで気になるのは、純ガソリン車とハイブリッドは、年間維持でどれくらい違うのかということ。今回はヤリスを例に、純ガソリン車とハイブリッド車ではどう違うのか比較していきたいと思う。

文/高根英幸
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】確実に訪れるであろう「純ガソリン車の新車販売禁止」に備え、純ガソリン車とHV車の年間維持費を比較する


驚愕の燃費性能を誇るヤリスハイブリッド

ヤリスのガソリン車とハイブリッドを比較し、ガソリン代や税金などの差は、どれくらいで元が取れるのか計算してみた
ヤリスのガソリン車とハイブリッドを比較し、ガソリン代や税金などの差は、どれくらいで元が取れるのか計算してみた

 ヤリスハイブリッドの環境性能の高さが、クルマ好きを中心に認知が広まりつつある。

 とにかく燃費性能が抜群に良いのだ。中心グレードのGならWCTLモードで35.8km/Lはダントツの数字。カタログ燃費と実燃費の乖離が少ないのも特徴で、よほど短時間の走行や渋滞ではない限り、市街地、郊外、高速道路でそれぞれのカタログ燃費の8割以上の実燃費をマークする。

 燃費が良いということは、それだけCO2の排出量が少ないことになる。ヤリスハイブリッドの場合、CO2排出量に換算すると65g/kmという低排出ぶりだ。

 EVでなければ温室効果ガスのCO2排出を減らせないと思っている人も多いようだが、再生可能エネルギーや原発でなければ日本では電力を生産する際にもCO2は排出されるし、BEV(バッテリーエレクトリックヴィークル、純EVのこと)は大量のバッテリーを搭載するため、製造時に多くのCO2を排出している。

 そんなBEVと比べれば、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント=素材生産時から使用中、廃車後にリサイクルするまでのCO2の総排出量)で考えればまったく遜色ないといえるほど、ヤリスハイブリッドの環境性は高いのである。

 トヨタの資料によればヤリスハイブリッドのLCAは、ヤリスのガソリン車よりもおよそ3割少なく、アクアよりも低く抑えられている。

 そんな環境性能の高いヤリスハイブリッドであるが、現時点での選択肢としてガソリンエンジン仕様のヤリスと比べて購入時の費用はおよそ30万円高い。ガソリン車のヤリスも燃費はいいクルマであるから、この価格差を取り戻せるだけの経済性も備えているかは、気になるところだ。

 そこで、ヤリスのハイブリッドとガソリンエンジンの1.5L、そして1Lを購入すると仮定して、購入時の差額はどれだけ走れば取り戻せるか調べてみた。装備がまずまず充実しているGグレードの2WDとして、3つのパワーユニットのヤリスを脳内で購入して維持してみようではないか。

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