■クラス違いのサブネーム
ブルーバードは単にブルーバードの車名で販売されていた当時は5ナンバーサイズではあったものの、車格を現代に当てはめればカムリなどに近い大きめのミドルクラスカーだった。
しかしシルフィのサブネームが付いた11代目と12代目はサニーのプラットホームを使うなど、微妙に車格そのものと車格感が下がった。
現行モデルではブルーバードの車名をなくしたシルフィとなり、シルフィも生産を終了しているので、現在買える新車は在庫のみとなっている。
ギャランも歴代ブルーバードと同じ車格だったが、2007年登場の日本向けとしては9代目でフォルティスのサブネームが付いた。
しかし、ギャランフォルティスはボディサイズからも車格は1クラス下のランサーに相当し、現在のカローラやシビックのクラスとなり、海外ではランサーの車名で今も販売されている。
日本でランサーの車名はランサーエボリューションXにだけ残され、前述したようにランサーエボリューションも絶版となっているため、現在日本で名門ランサーの車名は空白となったままである。
■訳アリのサブネーム
ブルーバードは前述したように1971年登場の4代目モデルで上級化したため、廉価版として3代目モデルも1972年まで併売され、4代目には差別化のためUというサブネームが付いていた。
2003年登場の2代目プリウスも、2009年に3代目が登場したあとも3代目ブルーバードと同様に廉価版としてプリウスEXの車名でアクアの登場まで併売された。プリウスEXの価格は189万円とリーズナブルだった。
■かなりの少数派だが…「成功例」もあり!
ここまで書いてきたようにサブネームが付いた日本車の成功例はあまりないのだが、数少ない成功例が現行のD:5を含めたデリカである。
2代目以降、「悪路も走れるミニバン」というコンセプトを一貫してきたデリカは2代目モデルと3代目モデルにスターワゴン、フロントエンジンとなった4代目モデルにスペースギアのサブネームが付き、2007年登場の現行型5代目モデルは5代目ということもありD:5のサブネームを持つ。
デリカの成功を見ているとサブネームよりコンセプトの一貫性の重要さがよくわかる。
【番外コラム】派生車がサブネームで独立
サブネームは派生車に付くことが多いため、2代目で独立するケースがほとんどだ。
しかしサブネームが付いて最も早く独立したのはパブリカの派生車、パブリカスターレットで、たった半年でスターレットとして独立。スピード離婚のようだ。
セレナとエルグランドもそれぞれ初代モデルのバネットセレナ、キャラバン&ホーミーエルグランドから2年後のマイナーチェンジで独立した。
意外なのがコロナマークIIのサブネームで始まったマークIIだ。
代を重ねコロナの車名は目立たなくなってはいたのだが、正式にコロナの車名がなくなりマークIIとして独立したのはマークII現象で知られる1984年登場の5代目モデルだったというのは意外だ。
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