販売不振、生産終了… 数奇な運命を辿った「サブネーム」のクルマたち23選

■クラス違いのサブネーム

 ブルーバードは単にブルーバードの車名で販売されていた当時は5ナンバーサイズではあったものの、車格を現代に当てはめればカムリなどに近い大きめのミドルクラスカーだった。

 しかしシルフィのサブネームが付いた11代目と12代目はサニーのプラットホームを使うなど、微妙に車格そのものと車格感が下がった。

日産 ブルーバードシルフィ…ブルーバードが消滅し、ひとクラス下のブルーバードシルフィとなった時は衝撃的だった
日産 ブルーバードシルフィ…ブルーバードが消滅し、ひとクラス下のブルーバードシルフィとなった時は衝撃的だった

 現行モデルではブルーバードの車名をなくしたシルフィとなり、シルフィも生産を終了しているので、現在買える新車は在庫のみとなっている。

 ギャランも歴代ブルーバードと同じ車格だったが、2007年登場の日本向けとしては9代目でフォルティスのサブネームが付いた。

 しかし、ギャランフォルティスはボディサイズからも車格は1クラス下のランサーに相当し、現在のカローラやシビックのクラスとなり、海外ではランサーの車名で今も販売されている。

三菱 ギャランフォルティス…ギャランは2005年に日本で消滅も2007年にギャランフォルティスが登場。→
三菱 ギャランフォルティス…ギャランは2005年に日本で消滅も2007年にギャランフォルティスが登場。→
→ただ日本以外ではランサーとして販売。2015年に終売となり、ギャランの名が日本から消えた
→ただ日本以外ではランサーとして販売。2015年に終売となり、ギャランの名が日本から消えた

 日本でランサーの車名はランサーエボリューションXにだけ残され、前述したようにランサーエボリューションも絶版となっているため、現在日本で名門ランサーの車名は空白となったままである。

■訳アリのサブネーム

 ブルーバードは前述したように1971年登場の4代目モデルで上級化したため、廉価版として3代目モデルも1972年まで併売され、4代目には差別化のためUというサブネームが付いていた。

日産ブルーバードU…「サメブル」と呼ばれていた4代目の610系は510系と併売だったため「U」のサブネームを付与
日産ブルーバードU…「サメブル」と呼ばれていた4代目の610系は510系と併売だったため「U」のサブネームを付与

 2003年登場の2代目プリウスも、2009年に3代目が登場したあとも3代目ブルーバードと同様に廉価版としてプリウスEXの車名でアクアの登場まで併売された。プリウスEXの価格は189万円とリーズナブルだった。

トヨタプリウスEX…3代目登場後もビジネスユースで人気
トヨタプリウスEX…3代目登場後もビジネスユースで人気

■かなりの少数派だが…「成功例」もあり!

 ここまで書いてきたようにサブネームが付いた日本車の成功例はあまりないのだが、数少ない成功例が現行のD:5を含めたデリカである。

 2代目以降、「悪路も走れるミニバン」というコンセプトを一貫してきたデリカは2代目モデルと3代目モデルにスターワゴン、フロントエンジンとなった4代目モデルにスペースギアのサブネームが付き、2007年登場の現行型5代目モデルは5代目ということもありD:5のサブネームを持つ。

三菱デリカD:5…デリカ→デリカスターワゴン→デリカスペースギア→デリカD:5とサブネームが変遷しているが、最大の成功作がD:5。変わらぬコンセプトでユーザーを魅了している孤高の存在
三菱デリカD:5…デリカ→デリカスターワゴン→デリカスペースギア→デリカD:5とサブネームが変遷しているが、最大の成功作がD:5。変わらぬコンセプトでユーザーを魅了している孤高の存在

 デリカの成功を見ているとサブネームよりコンセプトの一貫性の重要さがよくわかる。


【番外コラム】派生車がサブネームで独立

 サブネームは派生車に付くことが多いため、2代目で独立するケースがほとんどだ。

 しかしサブネームが付いて最も早く独立したのはパブリカの派生車、パブリカスターレットで、たった半年でスターレットとして独立。スピード離婚のようだ。

トヨタ スターレットはわずか半年でパブリカの名を捨てることに
トヨタ スターレットはわずか半年でパブリカの名を捨てることに

 セレナとエルグランドもそれぞれ初代モデルのバネットセレナ、キャラバン&ホーミーエルグランドから2年後のマイナーチェンジで独立した。

日産 エルグランドはマイナーチェンジでキャラバン/ホーミーから独立
日産 エルグランドはマイナーチェンジでキャラバン/ホーミーから独立

 意外なのがコロナマークIIのサブネームで始まったマークIIだ。

 代を重ねコロナの車名は目立たなくなってはいたのだが、正式にコロナの車名がなくなりマークIIとして独立したのはマークII現象で知られる1984年登場の5代目モデルだったというのは意外だ。

正式に「トヨタマークII」になったのはデビューから16年後!
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その他派生車から独立した主要車種一覧
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【画像ギャラリー】フェリオ、アクシオ、フォルティス…「サブネームのクルマたち」をギャラリーでチェック!

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