インドシナ半島に位置する社会主義共和国家ベトナムは、中国やインド、タイに近くに位置する東南アジアの主要な国のひとつだ。
日本では生春巻きやフォーなどの食文化もおなじみだが、日本車の製造も多く行われている。2021年1月26日にホンダは、現地法人のホンダベトナムカンパニー・リミテッドにおける四輪車の累計生産台数が10万台を突破したことを発表している。
そこで今回はそんなベトナムのクルマ事情を小林敦志氏にレポートしてもらおう。
文・写真/小林敦志
【画像ギャラリー】お待たせいたしました! モーターショーに花咲くベトナムのコンパニオンたち
■社会主義色は感じないベトナムの街並み
訪れたホーチミン市はインドシナ半島東部にある、ベトナム社会主義共和国南部にある大都市であり、ベトナムが南北に分断されていた時には旧称であるサイゴンとして、南ベトナム政府の首都であった。
いまでもホーチミンではなく、サイゴンという旧称が用いられることが多く、モーターショー会場の名称も、“SACC(サイゴン エキシビション&コンベンション センター)”が正式名称となっている。
南北分断の歴史もあるせいか、現在の首都であるハノイと、ホーチミンでは街の様子もかなり異なるとのこと。
統計も“南部”、“中央部”、“北部”とわけて掲載されており、地域によって趣向性などもかなり異なるようだ。そのため、今回は“ベトナム”というよりは、“ベトナム南部”の様子として捉えていただきたい。
ベトナムはかつてフランスの植民地であった歴史を持ち、ホーチミン市内の街並みもフランス統治時代を感じさせるエリアが存在する。
市街地の区分もパリのように数字で“1区”、“2区”と言うようになっており、モーターショーの会場は“7区”にあり、コンベンションセンターの周囲にはショッピングモールもある、とくに若者の間では人気スポットとなっているとのことである。
社会主義国家となるベトナムであるが、中国のように街のいたるところに公安(警察官)がいるわけでもないし、時おり見かける社会主義国家らしいスローガンを掲げた立て看板など以外は、街なかで社会主義国家を感じるようなことはなかった。
このようなことも、日本で観光地として人気を高めているのかもしれない。ただ、レストランの閉店などは早く夜は早めに街から人がいなくなり、そして朝は日の出とともに街が動き出しており、大都市といえども、まだまだ農業国家のような側面を見ることができた。
ちなみにコンビニエンスストアはもちろん24時間営業しており、“ミニストップ”が圧倒的に多いのだが、店内にはハングル文字、つまり韓国のものが多く売られていた。
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