あぁ懐かしのユニークなニックネームで呼ばれたクルマたち

■ホンダ 初代Z 『水中メガネ』

 ハッチバックのリアウインドウ周りに付けられた黒い縁取りが、「水中メガネ」のようにも見えるデザインであることに由来。ホンダの初代ZはN360をスペシャリティな雰囲気としたモデルだった。

シュノーケリングできそうなリアウインドウが特徴的
シュノーケリングできそうなリアウインドウが特徴的

■ホンダ アクティ 『農道のNSX』

 アクティは歴代モデルで、スーパースポーツのNSXと同様にミッドシップレイアウトを採用していることが由来のニックネーム。

 これに近いニックネームとして、スバル製のサンバーがリアエンジンを採用していたことによる「農道のポルシェ」がある。

2021年の4月でその歴史に幕を閉じる『アクティ』
2021年の4月でその歴史に幕を閉じる『アクティ』

■マツダ 5代目ルーチェ 『広島のベンツ』

 スタイルが全体的にどことなく当時のベンツ「Sクラス」を思わせるものだったことに由来。なお、5代目ルーチェはドライバーズカーとしての資質が高いこともベンツに通じるところがあった。

初代はジウジアーロの挑戦的なデザインで登場したが、5代目では一転、保守的なデザインに
初代はジウジアーロの挑戦的なデザインで登場したが、5代目では一転、保守的なデザインに

■三菱 初代デボネア 『走るシーラカンス』

 1964年の登場以来、1986年までの22年間もフルモデルチェンジされなかったことで、生きる化石と呼ばれる「シーラカンス」のようなクルマという意味から由来するニックネーム。

 その意味では1997年の登場以来、20年間フルモデルチェンジされなかった2代目センチュリーも近い面があるともいえる。

一見すると3ナンバーサイズに見えるが、しっかり5ナンバーサイズに収まっている
一見すると3ナンバーサイズに見えるが、しっかり5ナンバーサイズに収まっている

■スバル 360 『てんとう虫』

「てんとう虫」のように、小さく愛らしいスタイルであることに由来する。なお、VWのタイプⅠ、いわゆる空冷ビートルが「カブト虫」の愛称で呼ばれていたこととの対比もある。

 スバル360は軽量化のためモノコックボディやバックウインドウをアクリル製とした点などの技術レベルの高さ以上に、当時の大衆に移動の自由を与えたという点も偉大だった。

大衆車ではあるが、当時としては新しかったモノコックボディを採用したりと抜かりのない設計だ
大衆車ではあるが、当時としては新しかったモノコックボディを採用したりと抜かりのない設計だ

【番外編 F1マシンのニックネーム】

■ルノー RS01 『イエローティーポット』

 ルノーワークスチーム初のF1マシンで、F1初のターボエンジンを搭載したルノーRS01。カラーリングがイエローであり、ターボエンジンがよくブローし白煙をまき散らしていたことで、「イエローティーポット」と揶揄されていた。

 しかしその後、ルノーはF1でターボエンジンをものにし、1980年代中盤からF1は「ターボエンジンでないと勝てない時代」となった。

黄色くて白煙がもくもくしているから「イエローティーポット」。モータースポーツ界ならではの容赦のなさだ
黄色くて白煙がもくもくしているから「イエローティーポット」。モータースポーツ界ならではの容赦のなさだ

■ベネトンB192 『バナナノーズ』

 上に持ち上げたフロントノーズの形状に加え、カラーリングがイエローだったため、その見た目が「バナナ」を思わせることに由来。数年後、F1のノーズはベネトンB192の影響を受けた鼻先を持ち上げた形状のものばかりとなった。

この独特なノーズはフロントウイングとの距離を広げ、相互の空力影響を低減するために採用された
この独特なノーズはフロントウイングとの距離を広げ、相互の空力影響を低減するために採用された

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