同じメーカーの車でも、車種が違えば当然、車の中身や見た目が異なる場合が多い。
いっぽうで、例えば「インプレッサから派生したクロスオーバーのXV」といったように、車としてかなり近い中身や外見をを持った派生車や姉妹車は近年増加してきている。
いっけん、似たように見える同門車にも、さまざまな違いがある!!
文:松田秀士、鈴木直也、国沢光宏/写真:編集部
ベストカー2018年3月10日号
スバルの同門車は“セダンとワゴン”で明確な違いあり
■スバル WRX S4 VS レヴォーグ
スバル車は多くのモデルでプラットフォームを共用している。現在最も進化しているのはインプレッサ系の「スバル グローバル プラットフォーム」。
WRX S4とレヴォーグは、これより旧型のプラットフォームを改良したもので、この2車はプラットフォームもエンジン(2L車)もトランスミッションもAWDシステムもまったく同じものを採用している。
唯一、違うのは3ボックスのセダンか2ボックスのワゴンというボディ形状だ。
しかし、この2台の乗り味は明らかに異なるもの。レヴォーグはデビュー当時から、その固められたサスペンションによる乗り心地に対して異論が多かった。
ホントは、走りが好きだからS4が欲しかったんだけど、レヴォーグ2.0GT-Sのほうが乗り心地もよさそうだし家族もOKを出してくれるだろう。と、レヴォーグを選んだ人、多いはず。
しかし、いざ乗り比べると「S4のほうが乗り心地がいい!?」と思ったお父さんも多かったのでは。
ただし、スバルは反省していた。2017年の改良でサスペンションストロークを延長し、スプリングレートもソフトに振った。同じような改良はS4にも施されたが、レヴォーグのハンドリングと乗り味は大きく変化。
現在のレヴォーグはWRX S4よりも明らかに優等生の大人。すべてがマイルドだ。
【松田秀士】
同じ車種でも「走りが違う」スイフトのハイブリッド
■スズキ スイフト マイルドハイブリッド VS スイフト ハイブリッド
標準スイフトのマイルドハイブリッドは、インテグレーテッド・スターター・ジェネレータ(ISG)といって、ベルト駆動の発電機(オルタネータ)をモーターとしても活用するタイプ。
もっとも簡易型だから、モーター出力も2kW程度。乗った印象は「アイドルストップからの復帰が滑らか」というくらいで、いわゆるハイブリッドっぽさはほとんどない。
いっぽうのストロングハイブリッドは、そもそもベースがシングルクラッチの5速AMT(MTをベースとしたAT。スズキでの名称はAGS)で、そこに10kWのモーターを追加している。
電池容量は100V/4.4Ah(0.44kW/h)とミニマムだが、それでも1〜2kmほどのEV走行は可能だ。
それゆえこの両車、走りはぜんぜん異なる。
マイルドハイブリッドはごく普通だが、ストロングハイブリッドはスムーズなモーターアシスト発進から、MT的にギアシフトしてスピードに乗せてゆく感覚。そして、アクセルオフ時のエネルギー回生などかなり独特。
万人向けじゃないけど、ぼくはコッチが大好きです。
【鈴木直也】
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