【1990年代】MDプレーヤーの登場
1990年代になると、ソニーがカセットテープの後継的存在となるデジタル音源で文字入力などの編集も容易なMD(ミニディスク)を開発。自動車用MDプレーヤーの採用は1993年登場の9代目スカイラインが初だったという記憶がある。
MDもCD同様に普及までには時間が掛かったが、1990年代中盤あたりから普及が始まるとカーオーディオでもアフター品から商品が増えはじめ、純正品でも2DINのCD+MDを目にするようになり、日産車やホンダ車では1DINのCD+MDというものもあった。
また、この頃になるとCDチェンジャーもトヨタ車ではダッシュボード内蔵や2DINのCD+MDに内蔵されたものもあり、高価ではあったがアフター品でMDチェンジャーも販売されていた。
現在41歳の筆者は、この頃(1998年)に運転免許を取得し、記憶に強く残っているのだが、当時はクルマを買うとオーディオを換えるのは当たり前で、その際には2DINのCD+MDプレーヤーを選ぶことが多かった。
価格は標準品が5万円、FMラジオから交通情報や天気、流れた曲といった文字情報が見られる今はなき「見えるラジオ」を装備した上級品だと10万円程度と、現在CDプレーヤーのみならアフター品が1万円で買えるのを思うと、カーオーディオの低価格化を実感する。
また、1DINサイズのオーディオしか設置できない初代プリメーラに乗っていたときには1DINのMDプレーヤーにCDチェンジャーを組み合わせたこともあった。
しかし、MDも2000年代に入ってパソコンからCDを編集できるCD-Rの登場により、MDにも捨てがたいところもあったものの、2000年代中盤あたりからMDは衰退しはじめ、この頃からカーオーディオはシンプルな方向に変わっていく。
音源の形がなくなり始めた2010年代
2000年代に入るとアップルのiPodに代表されるプレーヤーに直接データを取り込む携帯音楽プレーヤーが登場し、2010年代に入るとカーオーディオも携帯音楽プレーヤーとの接続やUSBメモリとの接続が可能になってきた。
そして、マツダ車が現在のマツダコネクトを展開し始めた2013年あたりからは「音源をスマートフォンやUSBメモリに記憶する人が増えている」ということから、CDのドライブはオプションになり、ここ5年くらいのメルセデスベンツではCDのドライブを見ることは少なくなった。
さらに、2018年登場の三菱 エクリプスクロスでは冒頭に書いたスマートフォンと標準装備のモニターを接続してカーナビやカーオーディオとして使うスマートフォン連携ナビゲーションを採用。
トヨタも同じ時期に登場したカローラスポーツでスマートフォン連携ナビゲーション同様のディスプレイオーディオを採用して以来、ディスプレイオーディオを装備するモデルが急増している。
また、アフター品でもディスプレイオーディオを2DINサイズにしたようなものが増え、1DINサイズのオーディオではCDなしで音源はUSBメモリやスマートフォン接続としたものもラインナップされている。
トヨタのディスプレイオーディオで特に年配層を中心にちょっとした問題になっているのがCDの対応だ。
というのも最近のトヨタ車を見るとGRヤリス、ハリアー、RAV4 PHVはCDに対応していない。
3ナンバーボディのカローラシリーズはダッシュボードにディーラーオプションでCDプレーヤーを設置できるのだが、ヤリスとヤリスクロスはCDプレーヤーを助手席に設置する形で、CDプレーヤーの価格はそれぞれ約4万2000円だ。
そのため最近筆者の叔母がヤリスを買った際には「CDをどうするか?」ということにあり、入るのは1枚だけなのに加え助手席下という不便な位置と価格を総合し、CDプレーヤーは諦めた。
CDを使う人が減るいっぽうであることも考えると、一周回ってカセットすらなかった頃にように音源のソフトはなくなり、クルマに付いているのはラジオだけということが多くなってくるのだろう。
コメント
コメントの使い方助手席の下とかそんなに不便な場所なら、市販のポータブルCDプレーヤーでも繋いだ方が良さそうですね。