もはやLPGのタクシーは電動化時代に生き残れないのか?


ジャパンタクシーを購入しない理由:エムケイ(京都MK)

サービス向上のために車両をグレードアップし、従来のLPG車から離れる流れも起きている。京都MKでは、アルファードやカムリ、セレナe-POWERなどのガソリンハイブリッド車を積極的に導入している
セレナe-POWERのタクシー(京都MK)
カムリ(HV)のタクシー(京都MK)

 タクシーに関する話題で目をひいたのは、京都府を中心に全国展開しているエムケイ株式会社(保有台数:869台、2019年9月現在)が2021年1月19日、2025年までに全車両を電動化すると発表したこと。このため、従来から営業運転しているLPG車も2021年8月で運用を終了する予定という。

 実は京都MKはLPGからの移行を鑑み、従来からジャパンタクシーを導入しておらず、シエンタハイブリッドやセレナe-POWERなどのガソリンハイブリッド車をラインナップに加えている。

 そこで質問を少し変えて、既存のLPG車両からガソリンハイブリッドへの移行を進める理由を訊くと、「通常のタクシー以外の観光貸切、空港送迎、インバウンド対応などの需要に応えるべく、サービス向上の一環として車両のハイグレード化を数年来推し進めてきたからです」との答えが返ってきた。それを可能にしてきたのが「ガソリンハイブリッド車の燃費の向上」だという。

 「LPG車両と比較しても代替えまでの4~5年間での車両価格、燃料費、整備修繕費のトータルコストに大きな差がなくなってきました」とのことだ。ジャパンタクシーを導入しない理由としては「車両価格が高く、弊社の脱LPG車両戦略から離れるため」としている。他社と同じく、EVについて今後の導入予定があるのかという問いには「検討中」とのことだった。

●京都MK 保有台数:869両(タクシー:733両/ハイヤー:136両、2019年9月現在)
タクシー運用
・LPG:トヨタクラウンセダン(コンフォート)
・ガソリンHV:トヨタシエンタHV、トヨタカローラフィルダーHV、トヨタカムリ、日産セレナe-POWER、トヨタノア/ヴォクシー/エスクァイア
・プラグインHV:BMW740e
・EV:日産リーフ
ハイヤー運用
トヨタアルファード/ヴェルファイアHV
※セダンのハイヤーはトヨタクラウンHV、センチュリー、ドイツ系輸入車など。保有台数は1~4台。

●主なタクシー仕様車の燃費
トヨタクラウンセダン(LPG車):120台。燃費:5~6km/L
トヨタシエンタHV:120台。燃費:15~16km/L
日産セレナ(e-POWER):50台。燃費:10~12km/L
トヨタアルファード/ヴェルファイアHV:80台。燃費:9~10km/L

ハイブリッド車はまだまだ使える

クラウンコンフォートの上級版、クラウンセダンは2001年8月に登場、2017年6月に受注が終了し、受注分の生産は2018年1月に終了。ボディサイズは全長4695×全幅1695×全高1515mm。全長4830×全幅1710mmとしたスーパーサルーンも用意された。2L、直4の LPGエンジンは116ps/19.3kgm

 大手のタクシー会社ではおよそ4~5年/25万~30万km目処で売却され、なかには30年以上使用されるともいわれる従来のタクシー車両だが、先のコメントのようにハイブリッドはメンテナンス面については優秀で、ブレーキの耐久性は回生ブレーキの効果によって格段に向上しており、ニッケル水素バッテリーの耐久性に関しても、使用中に交換するケースは珍しいとのことだ。

 燃費について今回取材した各タクシー会社のデータをまとめれば、従来のタクシー専用LPG車であるクラウンセダンの5~6km/Lに対して、ジャパンタクシーは12~16km/Lと大きく上回る。

 注目すべきは導入例が増えつつあるガソリン仕様のシエンタハイブリッドだ。燃費は15~16km/Lだから、給油の融通が利くことも利点として挙げられる。さらにLPG化した場合の総コストの面で、果たしてジャパンタクシーと互角に戦えるのか興味深い。

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