ハイブリッド車はまだまだ使える
大手のタクシー会社ではおよそ4~5年/25万~30万km目処で売却され、なかには30年以上使用されるともいわれる従来のタクシー車両だが、先のコメントのようにハイブリッドはメンテナンス面については優秀で、ブレーキの耐久性は回生ブレーキの効果によって格段に向上しており、ニッケル水素バッテリーの耐久性に関しても、使用中に交換するケースは珍しいとのことだ。
燃費について今回取材した各タクシー会社のデータをまとめれば、従来のタクシー専用LPG車であるクラウンセダンの5~6km/Lに対して、ジャパンタクシーは12~16km/Lと大きく上回る。
注目すべきは導入例が増えつつあるガソリン仕様のシエンタハイブリッドだ。燃費は15~16km/Lだから、給油の融通が利くことも利点として挙げられる。さらにLPG化した場合の総コストの面で、果たしてジャパンタクシーと互角に戦えるのか興味深い。
今後はLPGハイブリッドだけが生き残っていくのか?
トヨタジャパンタクシーはハイブリッド車(LPG)だから、電動車に含まれるため、このままいけば電動車として認められることになる。今後の状況の変化によっては、小規模ながらガソリン時ハイブリッドの攻勢を受けているように、現状に安閑としてはいられないかもしれない。
「グリーン成長戦略」の主軸となるはずのEVの導入については、インフラ整備を含めて(タクシーが充電のためにディーラーに駆け込む場面などは想像できない)、ビジネス面で導入に向けたハードルが高いことは間違いない。
今夏に決定される施策によって、ただのLPGタクシーが受ける影響が気になる。いずれにしても、まだ我々が目にしている、セダン型のLPGのタクシー、トヨタクラウンコンフォートやトヨタコンフォート、クラウンセダン、Y31型セドリックセダンともにすでに新車の販売が終了しているから、街中を走るセダン型のLPG車についても淘汰されていくのは時間の問題だ。
現実のタクシー車両の使用条件として、年間10万kmで最長耐用距離は30万~50万km、耐用期間は約3~5年、最長では30年ほどと言われており、大手タクシー会社では4~5年、25~30年で買い換えによって車両を入れ替えているからだ。
ハイブリッドの扱い方とともに、その先にあるEVやPHEVとして導入政策がどのように進んでいくのかについても、2021年夏に決まるまで事の成り行きを見定める必要がありそうだ。
経済産業省は昨年末に関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。
この政策は、菅政権が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を、「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策ということになる。経済産業省は今後の方針を「商用車については2021年夏までに策定予定」としている。
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