■大きな揺れが発生した時点で、どう行動するか
大きな揺れが発生した際には、周囲の交通の邪魔にならないように停めることは、それでも走っているクルマがいる中でクルマを停めるのだから、停車することで新たな危険を生まないように配慮する必要がある。
基本ルールから考えると矛盾しているようだが、全員が停車しないことを考えると走行車線上でそのまま停車するのは危険なのだ。そのため揺れていると感じたらすぐに速度を落とし、安全な場所までゆっくり走り、その後停車するのが鉄則だ。
高速道路など高架道路では、揺れが増幅することや走行速度が高いことから、いっそう危険度が高まる。非常停車帯に停められるような状況ならそこで停車し、非常停車帯がすでに車両でいっぱいで停車できないのであれば、次の非常停車帯までゆっくり走る。あるいは後方からまったくクルマが来ないのが確認できれば、ハザードランプを点滅させて走行車線の左側に寄せて停まってしまうことも致し方ないだろう。
前方車両が急停止する可能性もあるので、後方だけでなく前方の車両の動きにも注意が必要だ。また橋やトンネルなどでは絶対に停車せず、低速走行で移動して、その先の非常停車帯や一般道に降りて停車することだ。
先日の地震の報道で、地震中のドラレコ映像を見ていると、非常停車帯に止まっているクルマがいる一方で、首都高速でもそのまま走行を続けるクルマも存在した。そのまま走り続けているドライバーは、揺れに気付かない人と、何かおかしいと思ってもそのまま走り続けてしまう人に大別できるが、どちらも危険なドライバーと言える。
クルマによって、あるいは道路環境によっても伝わり方は異なるため一概には言えないが、揺れに気付かない鈍感な人は、注意力や心身の感覚が鈍くなっている可能性が高い。こうなると、自分の体調変化にも気付きにくいし、クルマの異変にも気付かない。タイヤがパンクしたまま走り続けているようなドライバーをたまに見かけるが、それくらい鈍感なドライバーも存在する。
いつもと感触が違う、真っすぐ走りにくいと感じているのに、そのまま走り続けてしまうドライバーにも問題はある。漫然と運転しているから、何か変化を感じてもあまり深く考えずに、そのまま運転を続けてしまうのだ。
ブレーキパッドの摩耗限界でセンサーが異音を発していたり、エンジン補機類のベルトが鳴いていても平気で走り続けてしまう人は要注意だ。クルマが壊れるまで、あるいは車検などで交換されるまでそのままクルマを利用し続けてしまうのは、クルマを傷めるだけでなく、周囲を危険に晒す可能性も出てくるので、鈍感なドライバー同様に危険なのだ。
またカーナビに指示されるままのルートをただ走っているようでは、こうした緊急事態に対応できなくなることもあり得る。事実、東日本大震災の発生当日、国道など主要な道路は見渡す限りの大渋滞となっており、まったく動く気配など感じられないほどだったが、それはそれだけそのまま渋滞にハマり続けているドライバーが多かった、ということになる。
こうした危機管理能力の低いドライバーは、交通事故を起こす可能性も高い。筆者は東日本大震災の発生当日、しばらく余震をやり過ごした後で自宅にクルマで帰ったが、途中の橋や陸橋などにはヘッドライトなどの破片が必ず散らばっていた。これは揺れが発生している時に走行していたクルマがガードレールや対向車などと接触事故を起こしていた証拠だ。
コメント
コメントの使い方>結局のところ〜これはすぐにでも考え方を改めたほうがいい。
コレは確かにそうで実際問題持ってるような車を運転してたり自分本位な運転するような奴が先頭で事故ってしまって、それに巻き込まれるとかふざけんなあってなるよね。もう少しもすれば15年にもなるこの記憶や記録をどう後世に生かしていけるか、その上で震災時路側帯みたいなスペースやSAPAなどで車ダマりが出来ないようにする工夫が大事だな。