「なぜ」かを知れば改善できる! やっちゃいけない内掛けハンドルのホントのところ

■内掛けハンドルはなぜいけない?

 内ハンドル操作は引くハンドル操作です。これがなぜいけないか?

【1】内ハンドルで衝突などの接触事故が起き、エアバッグが展開した場合、重大な損傷を腕・手首・肩に負う危険がある。

【2】内ハンドルは必然的にドライバーの背中がシートから離れ気味になるため、シートバッグに身体がしっかりと固定されないので身体がフラつきやすくなり、また視認性も低下し安全で正確な運転操作ができなくなる。

【3】ハンドルをどの程度回したか? の認知度が低くなるので、フロントタイヤがどの程度切れているかがわかりにくく、またハンドルを戻した時にもどこが中立なのか? 間違えやすい。

内掛けハンドルの操作では、ハンドルエアバッグの開口部に腕がかかるため、作動したとき関節に大きな負荷がかかる恐れがある(phonlamaiphoto@Adobe Stock)
内掛けハンドルの操作では、ハンドルエアバッグの開口部に腕がかかるため、作動したとき関節に大きな負荷がかかる恐れがある(phonlamaiphoto@Adobe Stock)

 以上のことが考えられるのです。特に【2】に関しては、現在勧められている押しハンドルではシートバックに背中がきちんと押し付けられ固定できるメリットがあるのです。

 パワーステアリングがしっかりしている現在のクルマのハンドル操作でお勧めは「押しハンドル」です。

 ハンドルを10時10分あるいは9時15分の位置に持ち、例えば左に曲がる場合は右手を押し上げるように12時~10時のあたりまで切るようにします。さらに切り足す場合は左手を0分~15分の位置に持ち替え(右手とクロスさせます)、今度は左手で引きハンドル操作を行います。つまり押す → 引くがミックスされるハンドル操作です。

10時10分の位置で握る様子。アナログ時計の短針(時針)と、長針(分針)の位置からこう表現される
10時10分の位置で握る様子。アナログ時計の短針(時針)と、長針(分針)の位置からこう表現される

 クロスさせる、クロスを戻す、といった操作にプラスして、押す、引くという左右が協調されるハンドル操作を上手にミックスさせるのです。自宅駐車場でクルマを止めて練習してみてください。ただし、排ガスの換気には要注意です。新しい操作は脳を刺激して活性化します。

 現在のクルマはこのようなことも考慮して開発されています。もう古い引きハンドルで運転する意味はないのです。

■ハンドル操作のキモとは?

 それでも引くほうが自分はタイミングも取れるし運転しやすい、という人には次のハンドル操作方法はいかがでしょう?

 やはり基本の持ち方は10時10分あるいは9時15分です。このハンドル保持であれば、とっさの場合どちらの方向にも素早くハンドル操作が行えるからです。

 そこで先ほどの例と同じように左に曲がる場合。先ほどは右手で押す動作から始めました。それを行わず、左手を12時の位置に持ち変えるのです。そして、その左手を引き下ろします。

 引く動作ですから抵抗なくスムーズに行えると思います。この時、右手は軽く握り滑らせます。そしてさらに切り足さなくてはいけない時には右手を押し上げるのです。

 上記、いずれにしても押す、引くという操作のミックスをスムーズに行うことがキモとなります。

 ハンドル操作には連続した早い操作。クルマの旋回具合に応じた緩急のハンドル操作。切り足していきながら止める、そしてまた切り始める、という不規則な動作を意のままに行う必要があります。それらの操作に、そして安全面からも引きハンドルは適していないのです。

【画像ギャラリー】なぜいけない内掛けハンドル!? を写真でチェック!!

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