■ミニバンのスライドドアに付く乗降用電動ステップ
これはパワースライドドアを開くと同時にサイドシルに収納されていた乗降用ステップが電動で出てくるというもので、三菱デリカD:5と日産セレナを例に考えてみる。
デリカD:5の場合はコンセプトが「SUVの要素を盛り込んだミニバン」なだけに、最低地上高が高く、乗降性もよくないのでアリな装備だ。
対するセレナは乗降用電動ステップがオプション設定されており(装着すると持ち込み登録)、あると2列目以降にアクセスしやすくなるのは事実だ。
しかし、それはよく考えてみると「普通のミニバンのセレナで乗降用電動ステップがあるとよく感じるというのは、『セレナがプラットホームの古さなどによりそもそも乗降性が悪いから』という証拠ではないか」ということでもある。
そのため普通のミニバンで乗降用電動ステップがあると有難いというのはユーザーの使い方もあるにせよ、お節介という以上にそもそもクルマに問題があると考えるべきではないだろうか。
■アイドリングストップ機構
アイドリングストップは当サイトで何度か書いているようにお節介装備の筆頭だ。
正確に言えば、燃費向上や環境負荷低減のため10年ほど前から普及し始めたアイドリングストップだったが、確かに特に市街地での燃費は明らかに向上するが、いろいろな使用パターンを総合した燃費の向上度合いはそれほど大きくない。
それ以上にアイドリングストップは12Vバッテリーへの負担が大きいため、12Vバッテリーの寿命はアイドリングストップなしに対し3分の2程度。
またアイドリングストップ車用のバッテリーの価格はアイドリングストップなし用の1.5倍程度のため、長いスパンで見るとアイドリングストップ付は12Vバッテリーに掛かる費用がアイドリングストップなしの2倍近く掛かる。
この時点でアイドリングストップ装着によりかさむコストをガソリン代でペイすることはほぼ無理だろう。ということが明らかになってしまったので、今ではお節介な装備に成り下がってしまったというわけだ。
さらに環境負荷という面でも、燃費の向上による二酸化炭素排出量は削減できたとしても、12Vバッテリーの消費が増えるというのは疑問が残る。
ということを総合すると、CAFEにより「何が何でもカタログ燃費を向上しなくてはならい」というメーカーもあるにせよ、アイドリングストップの装着は環境負荷やユーザーの負担を総合的に見て、慎重に考えてほしいところだ。
■急激に進化した「自動駐車機能」だが……
2003年登場の2代目プリウスで登場した自動駐車機能はちょっと前のものまで、「使い方が難しい、スペースがギリギリのところだと使えない、自分でやったほうが早い」といった理由で付いていても使っている人は少ない、お節介装備だった。
実際、デジタル機器に疎い筆者は何のクルマだったかは忘れたが、自動駐車機能を使いバックで車庫入れ駐車をしたかったのに、なぜか想定と違う枠に前進で入っていたという経験もある。
しかし、日本車ではマイナーチェンジされたレクサス LS、新型トヨタ MIRAI、ホンダ eに装備される最新のものだと、駐車したいスペースの指定が容易なうえに、スペースを指定したあとはブレーキペダルを離せば操作なしで、縦列駐車も上手かつ素早く行ってくれる。自分で駐車するストレスのほうが大きいほどに進化している。
さらにあらかじめ登録しておけば、白線のない自宅駐車場のようなスペースへの駐車を行ってくれる点も非常に有難い。
しばらく気にしなかったうちに性能を劇的に向上した自動駐車機能はお節介装備から、急激に進化して、”使える”装備に急成長した。
しかし、そもそもこの自車駐車機能に頼るようなドライバーって甚だ疑問……、というより運転する資格があるのかということさえ思ってしまう。
一部の高級輸入車には、ドライバーがクルマから降りてスマホなどで操作すると自動でクルマが駐車してくれるリモートコントロールパーキングという機能もある。これは駐車スペースが狭い時にドアを開けると降りられない、隣のクルマにドアをぶつけるといった時に有効だ。
バックモニターと同様、お節介装備からありがたい装備に今後なっていくのだろうか。
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