タントは何が悪い? 元祖スーパーハイトがN-BOXに勝てない理由

■身内のダイハツ車と食い合いになっている面もある

タントはモデルチェンジで各所を改善し、背の高いボディながら走行安定性にも優れている
タントはモデルチェンジで各所を改善し、背の高いボディながら走行安定性にも優れている

 このように現行タントは機能が地味で、ライバル車の強化もあって売れゆきが伸び悩んだ。このほか身内のダイハツ車も影響を与えている。

 ダイハツの販売店では「ムーヴキャンバスの人気が高い。タントほど背の高いボディは不要だが、スライドドアが欲しいお客様は、積極的に選ばれている」という。ムーヴキャンバスの全高は1655mmだからムーヴに近いが、外観は柔和なデザインで、後席側にはスライドドアを装着した。

 ムーヴキャンバスの届け出台数は、2020年には6万台近くに達したから、タントと合計すれば約19万台だ。それでもN-BOXを追い抜くことはないが、タントの需要がムーヴキャンバスに奪われていることは確かだ。

 このほかにもダイハツには、全高が1800mmを超えるウェイク、SUV風のタフト、都会的なキャストスタイル、ベーシックなムーヴという具合に、全高が1600mmを超える軽自動車が豊富だ。

 ウェイクやキャストスタイルの販売は低迷しているが、スズキやホンダに比べて車種が多く、タントの需要を奪われやすい面がある。

 以上のようにさまざまな理由でタントの売れゆきは伸び悩むが、先代型の欠点潰しを行ったこともあって商品力は高い。背の高いボディながら走行安定性が優れ、後席の座り心地も改善された。

 スーパーハイトワゴンを買う時は、タント/N-BOX/スペーシア/ルークスあるいはeKクロススペースを比較していただきたい。

【画像ギャラリー】今は雌伏の時か!? 元祖スーパーハイト軽ワゴン ダイハツ タントを写真で見る

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