■インテリアもSクラス同様に大きく進化
一方、インテリアデザインもまるでミニSクラスである。
ドライバーの正面、コックピットには10.25インチ(26.0cm)あるいはオプションで12.3インチ(31.2cm)横長スクリーンを採用。そしてダッシュボード中央にあるセントラル・タッチ・ディスプレイはスタンダードで9.5インチ(24.1cm)が装備され、オプションでは11.9インチ(30.2cm)が用意される。
OS(オペレーティング・システム)はMBUX II(2世代目のMBUX)で、必ずしも「ヘイ・メルセデス!」と叫ばなくてもよくなり、「救急キットはどこにあるの?」と言う質問にも答えてくれる。
さらにクルマがスマホを介してモバイル・コントロールセンターとなり、スマートホーム機能によって自宅の室内温度や照明などをリモートで管理し、モーション・センサーで防犯機能までも持つことができるようになった。
またヘッドアップディスプレイは画面が9×3インチ(23cm×8cm)と大きくなったが、もちろんAR(オーギュメンテッド・リアリティ)も採用され、ボンネットの4.5m先の路面にナビの矢印が見えるような表示になっている。
そして、新しいMBUXで何よりも便利なのはソフトウェア・アップグレードがスマホやパソコンのようにOTA(オーバージ・エア)となり、そのためだけにディーラーに行く必要が無くなったことだそう。
■エンジンはガソリンの1.5Lと2.0L、ディーゼルの2Lを搭載
搭載されるエンジンは、ガソリン仕様そしてディーゼル仕様もすべてFAME(ファミリ・ーオブ・モジュラー・エンジン)と呼ばれる4気筒ターボ(開発コードM254)。
ガソリンエンジンの排気量は1.5Lと2Lの2種類で、出力は170ps、204psそして258psとなり、従来モデルに設定された6気筒やV8は存在しない。
AMGバージョンにはおそらく4気筒のM139エンジンが搭載されるだろう。また、ディーゼル仕様の排気量は2Lのみで200psと265psを発生する。
すべてのエンジンには、メルセデスとメルセデスAMGペトロナスF1チームとの共同開発による新しいツインスクロールターボが搭載されている。
さらにまたガソリン、そしてディーゼルにも48VのISG(インテグラル・スターター・ジェネレーター)を搭載しており、コースティング中にエンジンをカットオフして燃費を稼ぐほか、アイドリングストップからの再スタートが格段に静かにスムースになっている。
ニューCクラスには当然のことながら多くのバリエーションが用意されているが、クーペそしてコンバーチブル以外で、まったく新しい「オール・テレイン」と呼ばれる背の高いワゴンと、航続距離が100~150kmと大幅に拡大したc300e(P-HEV)が注目されている。
ニューCクラスは、セダンが今年の夏までに、そしてワゴンがその後年内、という順にドイツで夏からデリバリーが開始されるが、日本ではセダンが早くて年内と予想されている。価格はまだ発表されていない。
■発表前のプロトタイプに同乗試乗することができた!
実は、今回発表されたニューCクラスのプロトタイプにすでに試乗するチャンスがあった。
とは言っても助手席からの報告になるが、ドライブとクルマの解説を担当してくださったのはCクラス開発担当主査のクリスチャン・フリュー氏で、このニューモデルを知るに当たって、彼以上に適切な人はいない。出発地点はシュツットガルトのメルセデスベンツ本社であった。
試乗車のグレードはC300 4マチック(4WD)AMGラインだ。
パワフルな印象を与えるボンネット上の2本のパワードーム、オプションの19インチタイヤにも対応可能なワイドなホイールハウスオープニング、さらにフロントのトレッドは明らかに広がり、踏ん張るようにボディから若干はみ出したフロントタイヤは安定感とスポーティな存在感を見せている。
キャビンを見回すと、Cクラスは発表されたばかりのニューSクラスから多くを引き継いでいることがわかる。インスパイヤード・バイ・Sクラスだ。
仕上げは豪華で、オーナーが頻繁に触れる箇所の素材はすべてソフトタッチ、もちろんそれほど重要でない部分の素材(プラスチック)はそれなりに安っぽい。
一方、メカニカル・スイッチ類はできるだけ省略されている。唯一、タッチ機能でないのはセンターディスプレイの真下にあるハザード・スイッチくらいである。
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