■2020年、国産車・カテゴリー別販売台数。その2位になったモデルたちの魅力とは?
続いてのテーマも、2020年の日本車の国内販売台数のデータを題材にしたもの。6つのカテゴリーに分け、年間販売台数が2位になったモデルにスポットを当てる。
1位のモデルと大差がついたものがあれば僅差もある。トップは獲れなかったが充分誇れる。そのモデルの魅力を清水氏に語っていただくとともに、なぜ2位になったのかを分析してもらう。
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●SUV部門 2位:トヨタ ハリアー(2020年販売台数:6万6067台)
ライズの1位も凄いけど、2位がハリアーってのは驚異だ! 価格帯がぜんぜん違う。なんだかんだで400万円はするクルマが2位に食い込んだ理由、それはズバリ、「それ以上のゴージャス感がある」から!
ハリアーに乗ると、「私はセレブ?」って気分になれる。外観は手の込んだ曲面や抑えのきいたディテールがいかにも高級だし、内装もまったく同様。
決して華美すぎず、物凄く上質に仕上がってる。さらには乗り味も同様! ハリアーがあればレクサスRXはいらん! かもしれない。
●コンパクトカー部門 2位:ホンダ フィット(2020年販売台数:9万8209台)
相手が大トヨタのヤリスでなけりゃ、さらに言えば先代フィットのリコール連発がなけりゃ、フィットが1位になっていたことでしょう。
ヤリスとフィットを製品だけで比較すれば、かなりの差でフィットのほうが魅力的だ。特にインテリアの質感と居住性では大差をつけている。
燃費や加速などのドライビングプレジャーでは負けるけど、そこを重視してヤリスが選ばれてるわけでもあるまい。ヤリスの勝利は大トヨタのブランド力によるところ大。クルマ単体ならフィットの勝ちだよネ!
●クーペ&オープン部門 2位:トヨタ86(2020年販売台数:3938台)
86の2位は不本意ではなかろうか。モデル末期とはいえ、リアシートという強力な武器があるのだから。
つまり、ロードスターが本当に頑張ってるわけですが、しかしそれでも、86は涙がでるほどいいクルマだ。
なにしろこのサイズで、後輪駆動のスポーツクーペが存在すること自体が世界の奇跡! トヨタとスバルの男気の結晶だ! と思うわけであります。
個人的には、発表当初の限界の低さを楽しむスポーツカーから徐々に外れ、従来型の走り屋系に向かって足が固められたのは残念な気持ちもありますが、それが市場の要請なので是非もなし。新型も期待してます!
●セダン部門 2位:トヨタ クラウン(2020年販売台数:2万2173台)
1位のプリウスってセダンに入るわけ? ハッチバックでは!? と突っ込みたくはなるが(ベストカーではプリウス=セダンとのこと)、なんだかんだでクラウンが2位なのは凄いじゃないですか。
つまりカローラセダンより売れたんだから。さすがクラウンの歴史と伝統の厚みはスゲエ!
実際に現行クラウンに乗るとですね、クラウンとしてはなんだかチグハグで魅力に乏しいとも感じるけど、しかしそれでも年間2万台超だ。大したもんじゃないですか。
これだけ売れてもセダンは存続できないのでしょうか? これだけ売れてもSUVにしないとダメなんでしょうかねぇ……。
●ミニバン部門 2位:ホンダ フリード(2020年販売台数:7万6282台)
ウヒー! アルファードがミニバン第1位だったのね! あんな値段の高いクルマが1位! これは凄すぎる。
アルファードの快進撃を前にすると、フリードの2位は吹っ飛んでしまうわけですが、しかし実用本位で考えればフリードが1位でしかるべき。
ライバルのシエンタもそうだけど、あのサイズで、3列シートで、あれだけの居住性を確保しているのはマジックだ!
フリードハイブリッドはDCTなので走りも楽しい! お値段だってお値打ちだ。それでもアルファードに負けたのは、アルファードが怪物すぎるから! (※写真はフリードクロスター)
●軽自動車部門 2位:スズキ スペーシア(2020年販売台数:13万9851台)
スペーシアがタントを抑えて2位に入った! ナゼ? 理由はわかりません。N-BOXがこれほど独走する理由も私にはわかりません。軽はカーマニアにはわからないことがいっぱいです!
この3台の魅力はほぼ横一線だと思うのです。激しいライバル関係で切磋琢磨しているので、自然、そうなっているのです。
つまり、スペーシアは決してN-BOXには負けてない。室内装備のおもてなし感も満点だ。スペーシアギアは見た目もステキ。なにひとつN-BOXに負けてない。
さらに言うと走りはDNGAのタントが1番いいようにも思うのですが、これは余計でしたか……。
(TEXT/清水草一)
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