注目されるのはいつだって1番。記録に残るのも1番。でもね、2番だって輝く。2番にも魅力はあふれる。その頑張りにエールを贈りたい2番もいる。
世の中、2番がいるから1番という存在がある。この企画では「2番(2位)」にスポットを当てる。数値的なもの、あるいは印象として2番になったクルマたちや自動車ブランドなどを取り上げ、なぜ2番なのかという理由を探る。強調したいのはその2番手たちの魅力。クルマ界の2番(2位)を讃えようではないか!
※本稿は2021年3月のものです
文/渡辺陽一郎、清水草一、塩見智 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年4月10日号
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■2020年、メーカー別総販売台数2位のスズキ。なぜ2位になれたのか?
2020年のメーカー別国内販売台数は1位がトヨタで約145万台、2位はスズキで約63万台、3位はホンダで約62万台。
1万台少々の僅差だが、スズキがホンダを抜いて国内販売の2位。スズキでは初の快挙だ。
スズキが2位になった理由は2つある。
ひとつはコロナ禍での回復速度だ。スズキは2020年4~6月に対前年比が大きく落ち込んだが、7月以降は増加に転じた。しかしホンダは9月まで減少が続き、増加したのは10月以降。
モデル末期のヴェゼルに加えてステップワゴンの低迷も響いた。スズキの2020年累計販売台数は、9月の時点で、ホンダを抜いて2位になっていた。
2つめの理由は、コロナ禍でもスズキが堅調な販売を保ったこと。軽自動車ではスペーシアが好調で、N-BOXに次ぐ2位に入り、設計の新しいタントを上回った。
ハスラーも手堅く、納期の長いジムニーは前年に比べて届け出台数を増やした。軽自動車の総台数はダイハツに次ぐ2位だが、その差は1年間で1万2600台程度だから、かなり追い上げたといえる。
小型/普通車ではモデル末期のソリオが対前年比を9%しか下げなかった。スズキの小型/普通車登録台数は合計11万台近くに達したから、スバルを抜いてマツダに迫る。
このように今のスズキは、スペーシアなどを軸に軽を手堅く売り、コンパクトカーが注目される時代のなか小型/普通車も立派に育てている。バランスのいい売れ方で2位に輝いたといえる。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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