■ルノーは本国では販売1位なのになぜ日本ではプジョーに次ぐ2位なのか?
特有の存在感があるフランス車。代表的ブランド、ルノーとプジョーは下記の販売データでわかる通り、ルノーは差をつけられ2位。本国では1位なのになぜか!?
●2020年日本国内販売台数
・プジョー:1万752台、ルノー:5964台
※フランスでのブランドシェア/ルノー=18.4% プジョー=17.1% シトロエン=10.6%
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ルノーが本国フランスでシェアNo.1なのは、長らく国営企業で、1999年に日産とアライアンスを組んだ時点でも相当数の株を国が持っていたことと無縁ではないはずだ。
けれども、プジョーもルノーに肉薄するシェアを持っていて、グループのシトロエンやDSを含めると逆転する。
しかし、日本ではその逆だ。2010年以降、毎年プジョーがルノーを上回っている。シトロエン、DSを合わせるとその差はさらに広がる。なぜか。いろいろあるが、ルノーが販売台数を追い求めていないことが大きい。
●“ニッチ戦略”のルノー
2009年にルノー・ジャポンCOOに就任し、2012年から社長を務める大極司氏の方針は一貫していて、本国に数あるラインナップのうち、日本車にないタイプのクルマだけを導入するニッチ戦略だ。
代表的なのがカングーとルーテシアや、メガーヌのルノースポール・バージョン。
カングーのようにおしゃれで乗り心地のよい貨客両用車を売るブランドは他にないし、ホットハッチもどこもほぼやめてしまった。けれど、それらはいつの時代も一定数のお客を見込むことができる。そういう商売を続けている。
対するプジョーもどちらかというとコンパクトなモデルを重視したラインナップを展開してきたが、ルノーがいち早く諦めたDセグメントのセダン/ワゴン(現行では508)やミニバンなども販売する。
そのぶんだけプジョーのほうが日本ではたくさん売れている。そう言えるだろう。
(TEXT/塩見 智)
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